寝る前には歯を磨くべき?

高槻クローバー歯科・矯正歯科 歯科医師 髙野 祐

寝る前の歯磨きは必要?

寝る前の歯磨きは、虫歯や歯周病を予防するうえで、1日の中でも特に大切なお口のケアです。睡眠中は唾液の分泌量が減り、お口の中を洗い流したり、酸を中和したりする働きが弱くなるためです。

ただし、大切なのは、必ず布団へ入る直前に磨くことではありません。

夕食後に丁寧に歯を磨き、その後は水以外のものを飲食していない場合、寝る前にもう一度磨く必要は基本的にありません。その日の最後の飲食後に歯垢を落とし、清潔な状態で眠ることが重要です。

また、歯磨き後に何度もうがいをすると、歯磨剤に含まれるフッ化物が流れやすくなります。夜の歯磨きでは、歯垢を落とすことに加えて、フッ化物を歯の表面に残すことも意識しましょう。

この記事を読むとわかること

  1. 寝る前の歯磨きが重要な理由
  2. 磨かずに一晩寝た場合に起こること
  3. 夕食後に磨いた場合、寝る直前にも必要なのか
  4. 夜の正しい歯磨き方法
  5. フッ化物配合歯磨剤の使い方
  6. デンタルフロスや歯間ブラシの必要性
  7. 歯磨き後に飲食した場合の対応
  8. 疲れて磨けない夜にできる対策
  9. 子どもの寝る前の歯磨きで注意したいこと

 

寝る前には歯を磨くべき?

寝る前の歯磨きは、虫歯や歯周病を予防するうえで特に優先したい習慣です。睡眠中は唾液の分泌量が減り、お口の中の汚れや細菌を洗い流す働きが弱くなります。そのため、歯垢や糖分を残したまま眠らないことが大切です。

はい。1日の最後の飲食後に歯を磨き、清潔な状態で眠りましょう。

睡眠中は、日中より唾液の分泌量が少なくなります。唾液には、食べかすや細菌を洗い流す、酸を中和する、歯の再石灰化を助けるなどの働きがあります。唾液が少ない時間帯に歯垢が多く残っていると、虫歯や歯肉炎につながる環境が続きやすくなります。

口の中の細菌はどんな問題を引き起こすの?

特に、夕食や夜食の後には、歯の表面や歯と歯の間へ食べ物や糖分が残ります。歯垢の中の細菌は糖分を利用して酸を作るため、磨かずに眠る習慣が続くと、歯の表面が酸の影響を受ける時間が長くなります。

夜の歯磨きでは、次の2つを意識しましょう。

  1. 1日の汚れを落とすこと
    → 歯の表面、歯と歯の間、歯と歯肉の境目に残った歯垢を取り除きます。
  2. フッ化物を歯に残すこと
    → フッ化物配合歯磨剤を使用し、強く何度もうがいをしないことで、虫歯予防に役立てます。

寝る前の歯磨きは、汚れを落とすだけの作業ではありません。歯の表面を清潔にし、飲食しない時間を利用してフッ化物を働かせる時間でもあります。

寝ている間、お口の中では何が起こっている?

夜の間に口の中で何が起こっているのか

睡眠中は唾液が少なくなり、お口の中の細菌や食べかすを洗い流す力が低下します。さらに、口呼吸をしている方はお口の中が乾燥しやすく、朝のねばつきや口臭を感じることがあります。

睡眠中は唾液の働きが弱くなり、お口が乾燥しやすくなります。

唾液の分泌量が少なくなる

唾液には、次のような働きがあります。

  1. 食べかすを洗い流す
  2. 細菌の増殖を抑える
  3. お口の中の酸を中和する
  4. 溶け始めた歯の再石灰化を助ける
  5. 歯や粘膜を乾燥から守る
  6. 食べ物を飲み込みやすくする

睡眠中は、これらの働きが日中より弱くなります。唾液がまったく出なくなるわけではありませんが、分泌量が減ることで、歯垢や細菌が残りやすい環境になります。

歯垢の中で細菌が活動する

歯垢は、単なる食べかすではありません。細菌が集まって歯の表面へ付着した、粘着性のあるかたまりです。

うがいだけでは十分に落とせず、歯ブラシやデンタルフロスなどで物理的に取り除く必要があります。

歯垢の中の細菌が食事や飲み物に含まれる糖分を利用すると、酸が作られます。酸の影響によって歯の表面からカルシウムなどが溶け出す状態が繰り返されると、虫歯へ進行することがあります。

口呼吸では乾燥しやすくなる

鼻づまりや口呼吸がある方は、寝ている間にお口がさらに乾燥しやすくなります。

次のような症状がある場合は、口呼吸が関係している可能性があります。

  1. 朝起きると口や喉が乾いている
  2. 唇が乾燥している
  3. 朝の口臭が気になる
  4. 舌や歯の表面がねばつく
  5. いびきをかく
  6. 鼻づまりが続いている

歯磨きを丁寧にしても、強い乾燥や口呼吸が続いていると、お口の不快感が残る場合があります。気になる方は、歯科だけでなく耳鼻咽喉科への相談も検討しましょう。

睡眠中には、唾液の量や飲食の有無など、日中とは異なる条件が重なります。寝る前に歯を磨くことには、次のような意味があります。

寝る前に磨く理由 睡眠中に起こること 歯磨きの役割
唾液が少なくなる 食べかすや細菌を洗い流しにくくなる 眠る前に歯垢を減らす
酸を中和する力が弱くなる 歯が酸の影響を受けやすくなる 糖分や歯垢を残さない
お口が乾燥しやすい ねばつきや口臭を感じやすくなる 歯と歯肉を清潔にする
長時間飲食しない フッ化物が歯の表面に残りやすい フッ化物配合歯磨剤を活用する

夜の歯磨きは、睡眠中に起こる変化を完全に止めるものではありません。しかし、歯垢や糖分を減らし、フッ化物を歯の表面に残すことで、虫歯や歯肉炎が起こりにくい環境へ整えることができます。

歯を磨かずに一晩寝ると、すぐ虫歯になる?

一晩だけ歯を磨かなかったからといって、直ちに虫歯や歯周病になるわけではありません。ただし、磨かない日が続くと、歯垢が歯へ付着している時間が長くなり、虫歯や歯肉炎のリスクが高まります。

一度の磨き忘れより、磨かない習慣が続くことに注意が必要です。

疲れて寝落ちしてしまい、朝になってから「歯を磨かなかった」と気づくこともあるでしょう。一晩磨かなかっただけで、次の日に虫歯が完成したり、歯周病で歯が抜けたりするわけではありません。

ただし、次のような変化は感じやすくなります。

  1. 朝に口の中がねばつく
  2. 口臭が強く感じられる
  3. 歯の表面がざらつく
  4. 歯肉の周りに歯垢が残る
  5. 舌の汚れが目立つ
  6. お口の中が不快に感じる

問題になるのは、磨かずに寝ることが繰り返される場合です。歯垢が歯の表面や歯と歯の間に残り続けると、細菌が酸を作る時間が増えます。また、歯と歯肉の境目に歯垢が残ると、歯肉が赤く腫れたり、歯磨きの際に出血したりする歯肉炎が起こりやすくなります。

歯肉炎を長期間放置すると、歯を支える組織へ炎症が広がり、歯周炎へ進行する場合があります。一晩の磨き忘れと、長期間の清掃不足を混同しないことが大切です。

磨き忘れた翌朝は、時間をかけて丁寧に歯磨きを行いましょう。ただし、「朝に磨けば毎晩磨かなくてもよい」という意味ではありません。

夕食後に磨いたら、寝る直前にも磨く必要がある?

夕食後に丁寧に歯を磨き、その後に水以外の飲食をしていなければ、寝る直前にもう一度磨く必要は基本的にありません。大切なのは、時計上の時刻ではなく、その日の最後の飲食後に磨くことです。

最後の飲食後に磨き、その後は水だけなら磨き直しは原則不要です。

「夕食を食べた後すぐに磨いたけれど、寝るまで3時間ある」という方もおられます。この場合、歯磨き後に水しか飲んでいなければ、寝る直前にもう一度磨く必要はありません。

一方、歯磨き後に次のものを口にした場合は、再度の歯磨きをおすすめします。

  • お菓子
  • アイス
  • 果物
  • 牛乳
  • ジュース
  • スポーツドリンク
  • 砂糖入りのコーヒーや紅茶
  • 乳酸菌飲料
  • アルコール飲料
  • 夜食

牛乳や果物には栄養がありますが、糖質も含まれています。「健康によい食品だから歯磨きは不要」というわけではありません。

また、歯磨き後に水で薬を飲んだだけであれば、通常は磨き直す必要はありません。ただし、糖分を含むシロップ薬などを飲んだ場合は、水ですすぐか、可能であれば歯を磨きましょう。

歯磨き後に何を口にしたかによって、磨き直しが必要かどうかは変わります。以下を一つの目安としてお考えください。

歯磨き後の状況 磨き直しの目安 理由
水だけを飲んだ 原則不要 糖分や酸がほとんど含まれないため
お菓子や夜食を食べた 必要 糖分や食べかすが歯へ残るため
甘い飲み物を飲んだ 必要 糖分や酸が歯へ触れるため
牛乳を飲んだ 推奨 乳糖が含まれているため
水で薬を飲んだ 原則不要 水だけなら汚れが増えにくいため
シロップ薬を飲んだ うがいまたは歯磨きを検討 糖分が含まれる場合があるため

「寝る前の歯磨き」は、布団へ入る直前に行う儀式ではありません。その日の最後の食事や飲み物を終えた後に、お口を清潔にして、その後はできるだけ飲食せず眠ることが本来の目的です。

寝る前の歯磨きはどのように行えばよい?

寝る前は、歯の表面だけでなく、歯と歯肉の境目、奥歯、歯と歯の間まで丁寧に清掃します。強くこするのではなく、歯ブラシの毛先を当てて小刻みに動かすことが大切です。

毎回同じ順番で、磨き残しやすい部分を意識して磨きましょう。

毎回同じ順番で磨く

歯を磨く順番が毎日変わると、同じ場所を何度も磨く一方で、磨かない場所ができやすくなります。

例えば、次の順番に決めておくと、磨き忘れを減らせます。

  1. 上の歯の外側
  2. 上の歯の内側
  3. 上の奥歯の噛む面
  4. 下の歯の外側
  5. 下の歯の内側
  6. 下の奥歯の噛む面

順番はこの通りでなくても構いません。毎回同じ流れで、すべての歯へ歯ブラシを当てることが重要です。

毛先が広がらない程度の力で磨く

歯垢を落とそうとして強く磨く方もおられますが、力を入れすぎても清掃効果が高まるとは限りません。

歯ブラシの毛先が大きく広がらない程度の力で、1~2本ずつ小刻みに動かします。強い力で磨き続けると、歯肉が下がったり、歯の根元が削れたりする場合があります。

磨き残しやすい場所を意識する

特に注意したいのは、次の部分です。

  1. 奥歯の後ろ側
  2. 奥歯の噛む面の溝
  3. 下の前歯の裏側
  4. 歯と歯肉の境目
  5. 歯が重なっている部分
  6. 被せ物や詰め物の周囲
  7. 一番奥に生えている歯
  8. 矯正装置やインプラントの周囲

舌で触ってざらつきを感じる場所や、歯科健診で磨き残しを指摘された場所は、特に意識しましょう。

何分磨けばいいの?

歯磨きに必要な時間は、歯の本数、歯並び、使用する道具などによって異なります。「必ず3分」など、時間だけを目標にすると、歯ブラシを動かしているだけになりがちです。大切なのは、すべての歯面へ毛先が当たっていることです。

時間の目安を決めるなら、2~3分程度から始め、デンタルフロスや歯間ブラシを含めて、磨き残しがないようにしましょう。

フッ化物配合歯磨剤は寝る前にどう使う?

寝る前は、フッ化物配合歯磨剤を使い、磨いた後に何度も強くうがいをしないことが大切です。うがいをする場合は少量の水で1回程度にし、その後の飲食を控えます。

フッ化物を歯へ残すため、歯磨き後のうがいは少量の水で1回程度にします。

フッ化物には、歯の表面を酸に溶けにくくする、初期の虫歯の再石灰化を助けるなどの働きがあります。歯磨き後に何度も強くうがいをすると、フッ化物が流れやすくなります。

夜の歯磨きでは、次の流れを意識しましょう。

  1. フッ化物配合歯磨剤を歯ブラシに付ける
  2. 歯全体を丁寧に磨く
  3. 泡や唾液を軽く吐き出す
  4. うがいをする場合は、少量の水で1回程度にする
  5. その後はできるだけ飲食を控える

泡が多くて磨きにくい場合は、歯磨剤の量を減らすか、低発泡タイプを選ぶ方法もあります。

年齢に合わせて使用量を調整する

子どもでは、保護者が歯磨剤の量を調整します。

一般的な目安は次の通りです。

  1. 歯が生えてから2歳頃まで → 米粒程度
  2. 3~5歳頃 → グリーンピース程度
  3. 6歳以上 → 歯ブラシ全体程度

製品によってフッ化物濃度や使用方法が異なるため、表示を確認してください。

寝る前にデンタルフロスや歯間ブラシも必要?

歯ブラシだけでは、歯と歯の間に付着した歯垢を十分に取り除けません。少なくとも1日1回は、デンタルフロスや歯間ブラシを使うことをおすすめします。夜は時間を取りやすいため、歯間清掃を行うタイミングとして適しています。

歯と歯の間は、フロスや歯間ブラシで1日1回清掃しましょう。

歯ブラシの毛先は、歯の表面や歯肉との境目には届きますが、歯と歯の接触部分には入りにくいことがあります。そのため、デンタルフロスや歯間ブラシを併用します。

デンタルフロスが向いている方

  • 歯と歯の隙間が狭い
  • 若い方
  • 歯肉が大きく下がっていない
  • 前歯や奥歯の接触部分を清掃したい
  • 歯間ブラシが向いている方
  • 歯と歯の隙間が広い
  • 歯肉が下がっている
  • ブリッジやインプラントがある
  • 歯周病の治療を受けている
  • 歯科医院から使用を勧められている

タフトブラシが役立つ場所

  • 一番奥の歯
  • 親知らず
  • 歯並びが重なっている部分
  • 矯正装置の周囲
  • 被せ物の周囲
  • 歯と歯肉の境目

道具は多ければよいわけではありません。歯と歯の隙間に対して太すぎる歯間ブラシを使うと、歯肉を傷つける場合があります。歯科医院で自分に合った種類やサイズを確認しましょう。

夜のお口のケアでは、場所に合わせて道具を使い分けることが大切です。洗口液だけでは、歯へ付着した歯垢を十分に取り除けない点にも注意しましょう。

ケア用品 主な役割 向いている場所
歯ブラシ 歯の表面の歯垢を落とす 歯面、歯と歯肉の境目
デンタルフロス 狭い歯間の歯垢を落とす 歯と歯の接触部分
歯間ブラシ 広い歯間を清掃する 歯肉が下がった部分、ブリッジ周囲
タフトブラシ 細かい部分を集中的に磨く 奥歯、歯並びの重なり、矯正装置周囲
フッ化物配合歯磨剤 虫歯予防を助ける 歯の表面全体
洗口液 お口のケアを補助する 歯磨きの補助として使用

すべての道具を毎晩使わなければならないわけではありません。歯ブラシと、自分のお口に合う歯間清掃器具を基本とし、必要に応じてタフトブラシや洗口液を追加しましょう。

疲れて歯を磨けない夜はどうすればよい?

寝る前の歯磨きはどんな風にしたらいいの?

十分な時間を取れない夜でも、短時間でよいので歯ブラシを使うことを優先しましょう。洗口液やうがいだけでは歯垢を十分に落とせません。寝落ちしやすい方は、布団へ入る直前ではなく、夕食後や入浴前に磨く習慣を作る方法があります。

完璧に磨けなくても、何もしないより短時間でも歯ブラシを使う方がよいでしょう。

仕事や育児、体調不良などで、夜の歯磨きが負担に感じることもあります。そのような日は、「しっかり磨けないなら何もしない」と考えず、できる範囲で歯ブラシを使いましょう。

優先順位は次の通りです。

  1. 歯ブラシで歯の表面を磨く
  2. 奥歯と歯と歯肉の境目を意識する
  3. フッ化物配合歯磨剤を使う
  4. 時間があればデンタルフロスを使う
  5. 翌朝は丁寧に磨く

洗口液で口をすすぐだけでは、歯に付着した歯垢を十分に落とせません。ただし、体調が悪く歯ブラシを使えない場合は、水ですすぐなど、無理のない範囲で対応してください。

寝落ちしやすい方への工夫

  1. 夕食後すぐに磨く
  2. 入浴前に磨く
  3. 飲酒する前に磨く
  4. 洗面所以外にも歯ブラシを置く
  5. スマートフォンのアラームを設定する
  6. 家族と同じ時間に磨く
  7. 電動歯ブラシを活用する
  8. 歯磨き後は飲食しないルールを決める

寝る前の歯磨きで大切なのは、理想的な時刻にこだわることではありません。眠気に負ける前に歯磨きを終えられる仕組みを作ることが、習慣を続けるポイントです。

歯磨きができなかった場合の対応は、状況によって異なります。できる範囲で清掃し、磨けない日を習慣化しないことを意識しましょう。

状況 その夜の対応 翌日の対応
数分だけなら磨ける 短時間でも歯ブラシを使う 通常どおり丁寧に磨く
外出先で歯ブラシがない 水ですすぎ、帰宅後に磨く 歯間も含めて清掃する
寝落ちしてしまった 起きた時点で磨く 夜に早く磨く仕組みを作る
飲酒後で歯磨きがつらい 可能な範囲で短く磨く 朝に丁寧に清掃する
体調が悪い 無理のない範囲で磨くか水ですすぐ 回復後に通常のケアへ戻す

一度磨けなかったことを気にしすぎる必要はありません。大切なのは、翌日から通常のケアへ戻し、同じ状況が繰り返される場合は、歯磨きを行う時間や場所を見直すことです。

朝と夜では、どちらの歯磨きが大切?

朝と夜の歯磨きにはそれぞれ役割があり、両方行うことが基本です。ただし、どちらか一方しかできない場合は、歯垢を残したまま長時間眠ることを避けるため、夜の歯磨きを優先したいと考えられます。

朝と夜の両方が必要ですが、夜の歯磨きは特に優先しましょう。

朝の歯磨きには、睡眠中に増えた細菌や、朝食後の食べかすを取り除く役割があります。夜の歯磨きには、1日の食事や間食によって付着した歯垢を減らし、清潔な状態で眠る役割があります。

どちらも必要ですが、夜に磨かず眠ると、歯垢が残った状態が長時間続きます。そのため、忙しくてどうしても1回しか磨けない場合は、夜を優先したいところです。

ただし、「夜だけ磨けば問題ない」という意味ではありません。朝と夜を基本として、可能であれば昼食後もお口の状態に合わせて清掃しましょう。

子どもの寝る前の歯磨きでは何に注意する?

子どもは自分だけでは十分に磨けないことがあるため、保護者による仕上げ磨きが大切です。寝る前の歯磨き後は、ジュース、牛乳、お菓子などを避け、できるだけ水だけにしましょう。

子どもが自分で磨いた後も、保護者が仕上げ磨きを行いましょう。

子どもは手先の動きが十分に発達しておらず、自分では磨けているつもりでも、奥歯や歯と歯の間に歯垢が残ることがあります。

特に注意したい場所は次の通りです。

  1. 上の前歯
  2. 奥歯の噛む面の溝
  3. 一番奥に生えたばかりの永久歯
  4. 歯と歯の間
  5. 歯と歯肉の境目
  6. 歯並びが重なっている部分

子どもが自分で磨いた後に、保護者が仕上げ磨きを行いましょう。

また、歯磨き後にジュースや牛乳を飲む習慣があると、再び糖分が歯へ触れます。寝る前の水分補給は、できるだけ水にします。

子どもが歯磨きを嫌がる場合は、長時間押さえつけるよりも、毎日同じ時間と流れで習慣化することが大切です。

まとめ

寝る前の歯磨きは、虫歯や歯周病を予防するうえで、1日の中でも特に大切なお口のケアです。睡眠中は唾液の分泌量が減り、食べかすや細菌を洗い流す働き、酸を中和する働き、歯の再石灰化を助ける働きが弱くなります。そのため、歯垢や糖分を残したまま眠らないことが重要です。

ただし、寝る前の歯磨きで大切なのは、布団へ入る直前に磨くことではありません。夕食後に丁寧に歯を磨き、その後に水以外を口にしていなければ、寝る直前に再度磨く必要は基本的にありません。その日の最後の飲食後に歯を磨き、清潔な状態で眠ることを意識しましょう。

夜の歯磨きでは、次の点がポイントになります。

  1. フッ化物配合歯磨剤を使用する
  2. 歯と歯肉の境目や奥歯を丁寧に磨く
  3. デンタルフロスや歯間ブラシを1日1回使う
  4. 歯磨き後のうがいは少量の水で1回程度にする
  5. 歯磨き後は水以外の飲食を控える
  6. 疲れた日は短時間でも歯ブラシを使う
  7. 子どもには保護者が仕上げ磨きを行う

一晩磨き忘れたからといって、すぐに虫歯や歯周病になるわけではありません。
大切なのは、磨けなかったことを気にしすぎるのではなく、翌日から普段のケアへ戻すことです。

寝落ちが多い方は、寝る直前まで待たず、夕食後や入浴前に歯磨きを済ませる方法もあります。毎日続けられる時間と方法を見つけ、清潔なお口で眠る習慣を作りましょう。