子供がデンタルフロスを嫌がるのはなぜか、その原因と解決法についてご紹介します。
子供がデンタルフロスを嫌がる原因
永久歯が生えていない乳歯の子供に、いきなり仕上げ磨きの時にフロスを使用して清掃すると、一般的に嫌がるケースが多いです。その理由についてご説明します。
お口の中で何をされているかわからないから嫌がる
デンタルフロスを嫌がるのは、目の前で見た器具を歯にどのように使うかわからないためです。子供は理解ができなければ、怖さがあり、お口を閉じてしまいます。フロスが怖くなれば歯ブラシで歯や歯肉を清潔に保つ習慣さえも嫌になる可能性があるので、お口の中でどの部分にフロスを使っているのか、明確に示してあげましょう。
子供にデンタルフロスをするための方法
嫌がる子供に無理やりお口を開けさせて、「歯みがきをしたくない」と思わせるのは避けましょう。歯科医院でフッ素を塗布するだけでも、医院独特の消毒のにおいや、治療器具での治療音、チェアーの明かりなどを怖がる子供はいます。
まず、子供に今からどんなセルフケアをするのか、しっかり説明する過程や時間を省かないようにしましょう。歯磨きをする際、手鏡を持たせると効果的です。前歯や奥歯など一通り歯の清掃をした後、フロスを見せて「コショコショするよ」とどんな動きをするか歯に当てずに見せます。子供が理解してやってみると言えば、優しく歯と歯の間にフロスを入れます。
大人が行うような歯周ポケット及び歯根に沿ってフロスを入れる行為はやめましょう。歯と歯の隙間の食べかすや汚れを除去するのみにし、慣れるまで「フロスは痛くない」という感覚を植え付けることです。フロスには様々な種類がありますが、子供には糸タイプではなく、片手で使用できるホルダー付きタイプのフロスが掃除しやすくおすすめです。自分でできる子供は手に持たせて練習し、終われば「偉いね」とほめることも忘れないようにしてください。
子供へのデンタルフロス使用の必要性とは
フッ素ジェルの歯磨き粉を使い、寝る前にはフロスを用いて歯みがきを行いましょう。赤ちゃんなら何も言いませんが、3歳くらいの子供がフロスを嫌がっている場合、仕上げ磨きは大変です。毎回そんな状態ならば、保護者もセルフケアの際に、フロスの使用を躊躇うでしょう。
ただ、フロスは子供にとって大切な清掃アイテムです。通常、6歳前後の時期になれば6歳臼歯と呼ばれる奥歯が生えてきます。奥歯は歯垢(プラーク)や食べかすの除去が難しい位置にあります。歯ブラシの毛先が届かず、永久歯の奥歯と乳歯の歯間でむし歯になる子供が多いです。
また乳歯は永久歯よりも虫歯の進行が早いため、初期段階で歯科医院へ通院していない場合、虫歯が増えてしまい、神経を取る処置や麻酔が必要な虫歯治療になる可能性があります。子供の場合、詰め物や被せ物の処置も大変です。そのため、歯と歯の間を清掃するデンタルフロスは、口腔内のケアに必要なものと言えます。
子供がデンタルフロスを嫌がるときの対策に関するQ&A
子供がフロスを嫌がる主な理由は、目の前で使われる器具の目的や方法がわからないためです。子供は理解できないと怖さを感じ、お口を閉じてしまうことがあります。明確にフロスがどの部分で使われるのかを示すことが大切です。
子供に適したフロスは、片手で使用できるホルダー付きタイプのフロスがおすすめです。糸タイプよりも掃除がしやすく、使いやすいです。子供が自分でできる場合は、手に持たせて練習させ、成功したら褒めることも励みになります。
子供がフロスを嫌がらずに続けられるようにするには、丁寧な説明と理解を促すことが大切です。フロスを使う過程や方法を分かりやすく説明し、手鏡を使って見せると効果的です。最初は痛みを感じさせないように注意し、慣れるまで短時間で行うよう心掛けましょう。成功した際には褒めて子供のモチベーションを高めることも重要です。
まとめ
歯を磨く習慣をつけることは、歯周組織の健康、ひいては全身の健康にも関係します。虫歯や歯周病で抜歯の処置を行うことのないように、毎日きちんと習慣づけましょう。予防歯科という意味合いで定期的に小児歯科へ通院し、歯並びや噛み合わせが気になる場合は歯科医師に相談しながら子供の成長を見守りましょう。結果的に正しい位置に並んだ歯を長持ちさせることにつながります。