インプラント

インプラント治療は腫れる?腫れは軽減出来る?

インプラント治療は腫れる?腫れは軽減出来る?

インプラント治療には外科手術が必要で、術後は腫れや痛みが起こることがありますが、適切なケアによって手術後の腫れや不快感を軽減させること出来ます。腫れに対する対処の仕方を知ることは、術後の数日間を不安なく過ごすことに繋がります。

インプラント治療とは?

インプラント治療は、虫歯等で歯を失った時に失った歯を補うための一つの方法です。この治療法では、チタン製の人工歯根を顎の骨に埋め込んで歯根の代わりにし、人工歯根の上にはセラミック等で作られた上部構造(被せ物)を装着します。

インプラントは自然な歯に近い見た目と機能をもつため、失った歯の代わりの治療として効果があります。

メリット

  1. 見た目が天然歯とそっくり・・インプラントは上部構造をセラミックで作製することで天然歯とほぼ同じように見え、周囲の歯と調和します。
  2. 噛む力が強い・・人工歯根が骨に固定されるため、入れ歯やブリッジよりも噛む力が強くなります。
  3. 健康な歯を守る・・インプラントは自立しており他の歯による支えを必要としないため、隣接する健康な歯を傷めません。

これらのメリットにより、インプラントは機能的にも審美的にも優れた選択肢とされます。しかし、外科手術が必要なので、治療後には腫れや痛みが伴うことがあります。

インプラント治療が引き起こす腫れの原因

インプラント治療における腫れは、手術に伴う自然な歯茎の反応の一つです。顎の骨に穴を開け、インプラントを挿入する過程で組織が損傷し、その結果として腫れが生じます。しかし、この腫れは一時的なもので、適切なケアを行うことで軽減が可能です。

手術のプロセスにおける腫れのメカニズム

手術による身体の免疫・防御反応としての腫れ

インプラントを埋入するためには、歯茎を切開してから顎の骨に穴を開ける必要があります。歯茎の腫れは主に歯茎の切開後に組織が炎症を起こすことで切開部分を再生しようとする働きによります。

インプラントの埋入による腫れは通常、2~3日でおさまることが多く、身体への負担は、健康な歯を抜歯した時と同じ程度です。

骨が足りない場合はGBRなどの増骨の処置を行いますが、増骨を伴う場合は通常のインプラント埋入のみの手術よりも腫れやすく、腫れも大きくなります。腫れは1週間~10日程度で引くことが多いです。

また、インプラントの埋入本数が多い場合も、1本の場合と比べると腫れが大きく、長引く傾向があります。

細菌感染による腫れ

患者さんが自宅に戻られた後に、インプラント手術の傷口から細菌が入り込んでしまうこともあります。感染の疑いがある場合は、すぐに歯科医院に連絡して適切な治療を受けましょう。

手術後には、痛み止めと抗生物質のお薬をお出しします。感染を起こさないためには、処方された抗生物質を指示通りに服用しましょう。抗生物質は手術部位が細菌に感染するのを防ぎ、回復につなげてくれます。

オーバーヒートによる腫れ

顎骨にインプラントを埋め込む時には専用のドリルを使います。ドリルの使い方によっては、穴をあけた骨の部分にオーバーヒートと呼ばれる火傷の症状が発生することがあります。

腫れを軽減するための直後のケア

インプラント手術後の腫れを軽減させるための適切なケアをご紹介します。

1. 冷却する

  • 冷たいパックを当てる・・手術後の最初の24時間は、患部に氷嚢やタオルにくるんだ保冷剤を頬側から当てて冷やします。20分間適用し、40分間休むというサイクルを繰り返すことで、腫れを軽減できます。

2. 圧迫する

  • 圧迫バンドの使用・・特定のケースでは、腫れを抑えるために圧迫バンドを使用することが推奨されます。

3. お薬を服用する

  • 抗炎症薬・・医師の指示に従い、処方された抗炎症薬を服用することで、腫れや痛みを軽減します。

4. 血流を活性化させる行動は控える

  • 激しい運動は控える、入浴を控え、シャワーにするなど、血流を過度に活性化させないように安静に過ごします。

5. 喫煙を控える

  • タバコがインプラント与える様々な悪影響には、インプラントが骨に定着しにくかったり、感染症のリスクを高める、傷の治りを遅くするなどがあります。インプラントの術前術後は禁煙することをおすすめします。

6. 飲酒を控える

  • 術後1週間程度はアルコールの摂取を控えましょう。アルコールは血流を良くし、患部の出血や腫れを起こしやすく、傷の治癒を長引かせる可能性があります。

インプラントによる腫れを長期的に管理するには?

インプラント治療後の腫れを効果的に管理するためには、長期的な戦略も重要です。生活習慣の調整や定期的なフォローアップがキーとなります。

食生活の調整

・柔らかい食事を心がける・・手術後数日間は、柔らかい食事を心がけ、食べ物が患部に当たらないように食べることで、患部への負担を減らします。

定期的なメンテナンス

・メンテナンス・・手術後は定期的に歯科医師によるチェックを受けることが重要です。これにより、予期しない問題を早期に発見し、適切に対処することができます。

インプラント後の腫れに関するFAQ

腫れは何日間程度続きますか?

通常、腫れは手術後2?3日でピークに達し、その後徐々に改善されます。完全に腫れが引くまでには1週間から10日かかることが一般的です。

腫れが引かない場合はどうすればいいですか?

腫れが長引く場合は、感染の可能性も考慮に入れて、速やかに担当医に相談してください。追加の診察や治療が必要になることがあります。

手術後に腫れを最小限に抑えるためにできることはありますか?

手術後は冷却を行い、処方された薬を正しく服用することが効果的です。また、手術後は身体を休め、激しい運動や重労働は避けることが推奨されます。

まとめ

インプラント治療の手術に伴う腫れは避けられない部分です。しかし、手術による腫れは一時的なものであり、以上のような適切な対処によって軽減できます。事前に十分な情報を得て、準備を整えることが安心につながります。

この記事の監修者
医療法人真摯会 高槻クローバー歯科
院長 髙野 祐

2013年 岡山大学 歯学部卒業。2014年 岡山大学病院臨床研修終了

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高槻クローバー歯科

大阪矯正歯科グループ大阪インプラント総合クリニック