予防歯科・定期健診

なぜ歯医者は3ヶ月ごとの健診をすすめるの?

なぜ歯医者は3ヶ月ごとの健診をすすめるの?

高槻クローバー歯科・矯正歯科 歯科医師 髙野 祐

仕事に家事に育児に、ただでさえ忙しい毎日。
やっとの休日には、できればゆっくり休みたい。
そんな中、「3ヶ月ごとの健診」って、ちょっと多すぎる気がしますよね。

「歯も痛くないし、特に困ってないのに…」
「わざわざ時間を取って行く意味ってあるの?」
そう感じるのは、ごく自然なことです。
実際、ほとんどの患者さんが、最初はそう思っています。

それでも、
「もっと早く来ておけばよかった」
「こんなに悪くなってるなんて思わなかった」
そんな言葉が、あとから後悔のようにこぼれることも少なくありません。

私たち歯科医院が3ヶ月ごとの健診をすすめるのは、
みなさんに不安な未来を迎えてほしくないからなんです。
今、なにも困っていない「この瞬間」こそが、
じつはもっとも大切なタイミングかもしれません。

歯医者はそんなに頻繁に行く必要あるの?

「3ヶ月ごとの健診って、ちょっと多くない?」
そんな風に感じたことはありませんか?

仕事や育児で忙しい日々の中、
「痛くもないのに歯医者に行くなんて…」と
つい後回しにしてしまう気持ち、よくわかります。

でも、実はこの“3ヶ月”という間隔、
ただの気まぐれではなく、きちんとした理由があるんです。

定期健診の内容

健診をサボるとどうなるか?

健診を受けずに放置してしまうと…

健診をサボることで起こりやすいリスク一覧

むし歯や歯周病が進行する → 初期段階では痛みがないため、自覚が難しく発見が遅れます。進行してからでは、治療の範囲も費用も大きくなってしまいます。

歯垢(しこう)や歯石が溜まり、炎症を引き起こす → 毎日の歯磨きでは落としきれない汚れが蓄積し、歯ぐきの腫れや出血、口臭の原因に。

歯を失うリスクが高まる → 歯周病の最終段階では、歯を支える骨が溶けてしまい、抜歯せざるを得ないケースも。

噛み合わせが崩れ、全身にも悪影響が出る → 噛みにくさから食生活が偏り、消化不良や姿勢のバランス悪化、肩こり・頭痛にもつながることもあります。

このように、知らず知らずのうちにリスクが積み重なってしまいます。

定期的なチェックで“未然に防ぐ”ことこそが最大の目的なのです。

健診をサボった結果の“現実的なデメリット”

治療にかかる時間や費用が一気に増える
→ 定期的なケアなら15分〜30分で済んだことが、数ヶ月通院・数万円の治療になることも。

痛みや腫れにより、日常生活に支障が出る
→ 食事が楽しめなくなったり、眠れなくなったりするケースも。

被せ物や詰め物で治療しても、「元の歯」には戻らない
→ 自分の歯を守れるのは、自分だけです。

「忙しくて時間がない」
「痛くなったら行けばいい」

そのお気持ち、よくわかります。
しかし、歯の健康は、“悪くなってから”では取り返しがつかないことが多いのです。

3ヶ月に一度、たった30分の健診で、
「歯を失うリスク」「高額な治療費」「突然の痛み」から身を守れるとしたら…。
それは、最高の自己投資だと思いませんか?

“3ヶ月ごと”に隠された意味とは?

「なぜ3ヶ月なの?半年とか1年じゃだめなの?」
患者さんから、よくいただく質問です。

実は“3ヶ月ごと”には、ちゃんとした根拠と理由があります。
決して“なんとなく”ではないんです。

「3ヶ月」という間隔が選ばれる医学的な理由

歯周病菌の増殖スピードに関係があります。
→ 歯の表面に残った歯垢(しこう)は、放っておくと約3ヶ月で再び病原性の高い菌に変化し、炎症を引き起こすリスクが高まります。

歯石の沈着も約2〜3ヶ月で再形成されます。
→ 歯磨きでは落としきれない汚れが徐々に硬くなり、歯ブラシでは取れなくなるのです。

口の中の環境は、年齢・生活習慣・体調で常に変わるからこそ、定期的な“再チェック”が必要です。
→ 食生活やストレス、体の免疫力低下などにより、むし歯や歯周病のリスクは3ヶ月の間にも変化します。

なぜ半年では遅すぎるのか?

半年〜1年に1度では、
以下のような事態がすでに起きている可能性があります:

初期のむし歯が進行してしまっていたり
歯周病が中等度以上に進んでいたり
被せ物・詰め物の不具合に気づかず放置されていたり

つまり、気づいたときには“手遅れ”になっていることもあるということです。

3ヶ月健診は“予防の黄金タイミング”

3ヶ月に一度の健診でできることは、たくさんあります:

  • むし歯・歯周病の早期発見・早期対処
  • 専門的なクリーニング(PMTC)で歯垢・歯石をリセット
  • 被せ物・詰め物のズレや不具合の早期調整
  • 日々の歯磨きや生活習慣の見直しとアドバイス

特に、ご自身では気づきにくい問題を“未然に防ぐ”という点で、
この「3ヶ月」という周期はベストバランスなのです。

3ヶ月ごとの健診は「あなたの歯を守るリズム」

ちょうど季節がひと回りする頃、
3ヶ月に一度だけ、少しだけ立ち止まって
「わたしの歯、大丈夫かな?」とチェックする。

それが、未来の自分の健康を守るためのリズムになります。

3ヶ月ごとの健診は、
“今のあなた”が、“未来のあなた”の笑顔を守るためにできる、
もっとも確実で、もっともやさしい方法です。

歯垢は約3ヶ月で歯石に変わる

毎日ちゃんと歯を磨いていても、
どうしても落としきれない汚れが、少しずつ少しずつ溜まっていきます。

その正体が「歯垢(しこう)」です。

歯垢(しこう)とは?

  • 歯の表面にくっつく、ネバネバした細菌のかたまり。
  • 食べカスではなく、細菌そのものなんです。
  • 特に歯と歯の間、歯ぐきとの境目に残りやすく、自分では気づきにくいのが特徴です。

この歯垢、放っておくとどうなると思いますか?

約2〜3日で硬くなりはじめ、3ヶ月で“石”のように…

  • 歯垢は時間が経つと、唾液の中のミネラル(カルシウムやリンなど)と結びつき、どんどん固くなります。
  • その結果できるのが、「歯石」です。

歯石になるとどうなる?

  • 歯ブラシではもう取れません。
  • 表面がザラザラなので、**さらに歯垢がつきやすくなる“悪循環”**に。
  • 歯ぐきに炎症を起こし、歯周病の原因にもなります。

なぜ「3ヶ月ごと」の健診が大事なのか?

  • 歯石になる前の段階=“まだ歯垢のうち”に除去することができれば、
  • 歯周病やむし歯を未然に防ぐことができるんです。

3ヶ月というのは、
「歯垢が歯石に変わりはじめるギリギリのタイミング」とも言えます。

あなたの歯を守るには、
「痛みが出てから」ではなく、「変わる前に」がポイントです。

3ヶ月ごとにプロの手でお口の中をリセットすれば、
歯石に変わる前の歯垢をしっかり落とせて、
キレイで健康なお口を保ちやすくなります。

これからどうすればいい?賢い健診の受け方

では、どうやって健診の習慣を身につければいいのでしょうか?コツは以下の3つです。

毎回、次の予約をとって帰る
→忙しい毎日の中でも、予定に入れておけば通いやすくなります。

自分の健診月をスマホに登録する
→リマインダー機能などを活用すれば、忘れにくくなります。

「自分の健康への投資」として意識する
→将来の医療費や歯の喪失リスクを減らす、大切な“未来への保険”と考えましょう。

こうした工夫をすることで、健診を無理なく生活の一部にできます。

健診を続けることで得られる未来

3ヶ月ごとに健診を受けることで、こんなメリットがあります:

むし歯や歯周病の早期発見・早期治療ができる。
→ 小さな処置で済むので、痛みも治療費も最小限に。

歯垢や歯石をプロがしっかり除去。 → 自分では落としきれない汚れもスッキリ。

お口の中が常に清潔で、口臭予防にも。 → 人と話すのが気にならなくなります。

将来的に歯を失うリスクを大きく下げられる。 → 歯は一度失うと、二度と戻りません。

こうした小さな積み重ねが、将来の大きな安心に繋がるのです。

まとめ

安心のために、まずは次の予約を!

健診は「問題を見つける場」ではなく、
「問題を未然に防ぐための習慣」です。

ほんの30分、たった3ヶ月に一度の習慣で、
歯の健康が守れるなら、健診には大きな価値があると思いませんか?

もししばらく健診に行っていないなら、
まずはお気軽にお電話・ネット予約を!

「今すぐ問題がないからこそ、健診を受ける意味がある」
これが歯医者が“3ヶ月ごとの健診”をすすめる理由なのです。

この記事の監修者
医療法人真摯会 高槻クローバー歯科
院長 髙野 祐

2013年 岡山大学 歯学部卒業。2014年 岡山大学病院臨床研修終了

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高槻クローバー歯科

大阪矯正歯科グループ大阪インプラント総合クリニック