入れ歯

自費診療の入れ歯にはどんな種類があるの?

自費診療の入れ歯にはどんな種類があるの?

高槻クローバー歯科・矯正歯科 歯科医師 髙野 祐

自費診療の入れ歯には様々な素材や形状のものがあり、保険治療の入れ歯と比べると快適な着け心地で、審美性も美しいものとなっています。自費診療の入れ歯の種類についてご説明します。

より快適なつけ心地や見た目を求める自費診療の入れ歯の種類

保険の入れ歯と自費診療の入れ歯

虫歯や歯周病などの理由で歯を失って、入れ歯治療を受けることになる人は30代後半~40代あたりから増えていくというデータがあります。最近ではインプラント治療もすっかり普及していますが、高額な費用面や外科手術への不安から、入れ歯を選択する人も多くおられます。

現在では保険診療の入れ歯以外に、機能性や審美性に特化した自費診療の入れ歯も多く出てきており、治療を受ける患者さんのそれぞれのニーズに合った入れ歯を見つけることができます。特に女性は「入れ歯だと気づかれたくない」と強く思っている方が多いため、審美性に優れた入れ歯を求められる傾向があります。

1. マグネット義歯

マグネットデンチャー

入れ歯は固定するための土台の歯が必要です。マグネット義歯は土台となる歯に磁性金属パーツを取り付け、入れ歯側にも強力な小型磁石を付けて固定するタイプです。磁石が吸着する力で入れ歯を安定させますので、お口の中でガタつかず、残っている歯が少ない人でも使用できます。骨組みの金属が口元から見えないため、入れ歯に見えず自然に見せられます。

メリット

  • 強い磁力でしっかり引き合うため、土台と入れ歯の密着性が高い
  • 見た目が入れ歯に見えず自然
  • 歯が少ない人でも適用できる

デメリット

  • 歯の根っこがない場合はインプラントの埋入が必要

2. ロケーター義歯

ロケーター義歯

土台となるインプラントを2~4本歯ぐきに植え、留め具で入れ歯と連結させるタイプです。他の入れ歯に比べると、抜群の安定感があります。

ご自身の歯に近い感覚で、しっかりと硬いものも噛めます。通常のインプラント治療よりも費用や負担をかなり抑えることができます。

デメリット

インプラント埋入の外科手術が必要です。

3. 金属床義歯

自費 金属床義歯

自費治療の入れ歯では主流のタイプです。義歯床が薄い金属フレームを使用しており、密着性が高くお口の中にしっかりフィットします。

金属のため、頑丈で、熱伝導の特性から温かいもの・冷たいものを感じ取りやすく、味覚を鈍らせることがありません。また、汚れ・雑菌がつきにくく衛生的です。金属アレルギーの方には、チタン床の入れ歯でのご対応も可能です。

メリット

  • 強度があり、硬い物でも食べやすい
  • 温かい物・冷たい物がおいしく食べられる
  • 会話の発音に支障が出ない
  • 汚れ、雑菌に強い

デメリット

  • メンテナンスや修理が必要になった場合、時間がかかることがある

4. ノンクラスプデンチャー

ノンクラスプデンチャー

部分入れ歯の金属のバネ(クラスプ)が歯茎に近い色の樹脂で出来ているタイプです。歯肉と同系色の義歯床のため目立たず、見た目がとても自然で審美性が良いのが特徴です。金属アレルギーの方でもご安心いただけます。

メリット

  • 見た目が入れ歯に見えず自然
  • すき間に食片が詰まりにくい
  • 軽くてコンパクトで、落としても割れない

デメリット

  • 強く噛み過ぎるとたわむ
  • 3~5年おきに調整して作り変える必要がある

入れ歯のメンテナンス

入れ歯の洗浄

入れ歯は一日の終わり・寝る前には丁寧にメンテナンスしましょう。一日中口に入れっぱなしだと衛生的にもよくありません。一日一回はピカピカに洗浄して、気持ちよく長持ちさせてください。

まずは入れ歯専用ブラシでしっかりとこすって入れ歯の表面をよく磨きます。力を加えすぎると傷んでしまったり、変形させてしまったりするので、やさしく丁寧にブラシをあてます。指で触ってみて、ぬるっとした感触がしなければOKです。

入れ歯の洗浄剤は、出来るだけ毎日1回は使うようにしましょう。夜に入れ歯をきれいに洗ってから浸しておくと除菌や消臭が出来ます。入れ歯の臭いや汚れが気になる方は必ず毎日使うようにすると除菌・消臭の効果がありますので、翌日気持ちよく使えます。

基本的には自分の歯と同様、入れ歯もブラッシングでまずプラーク(歯垢)などを落とすことがとても大事なので、毎日忘れずにケアしましょう。

自費診療の入れ歯の種類に関するQ&A

自費診療の入れ歯にはどのような特徴がありますか?

自費診療の入れ歯は、より快適なつけ心地や見た目を求めるために選択されるタイプです。保険の入れ歯とは異なり、機能性や審美性に特化した入れ歯が提供されています。患者さんのニーズに合わせて個別に作られ、特に審美性が重視されます。

自費診療の入れ歯は、なぜ女性によく求められる傾向があるのですか?

女性は一般的に「入れ歯だと気づかれたくない」という希望を持つ方が多いため、自費診療の入れ歯が求められる傾向があります。審美性に優れた入れ歯は、自然な見た目を実現することができます。女性が入れ歯治療を受ける際には、見た目への配慮が重要とされています。

マグネット義歯にはどのような特徴がありますか?

マグネット義歯は、磁石を使用して入れ歯を固定するタイプの入れ歯です。入れ歯側には強力な小型磁石が付けられ、磁石が吸着する力で入れ歯を安定させます。マグネット義歯は入れ歯に見えず自然な見た目を実現できます。また、骨組みの金属が口元から見えないため、審美性に優れています。

まとめ

歯のキャラクター

自費診療の入れ歯の種類とそれぞれのメリット、デメリットについてご説明しました。保険の入れ歯のつけ心地が悪くお困りの方、保険外診療の入れ歯であれば快適に過ごせるかもしれませんので、まずはお困りの点を担当医にお話ください。

この記事の監修者
医療法人真摯会 高槻クローバー歯科
院長 髙野 祐

2013年 岡山大学 歯学部卒業。2014年 岡山大学病院臨床研修終了

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高槻クローバー歯科

大阪矯正歯科グループ大阪インプラント総合クリニック