歯と口のトラブル

睡眠時の歯ぎしりから歯を守る方法を教えて

睡眠時の歯ぎしりから歯を守る方法を教えて

高槻クローバー歯科・矯正歯科 歯科医師 髙野 祐

歯ぎしり・食いしばりは、睡眠中の無意識下で起こり、噛み合わせの悪さやストレスなどが原因とされていますが、医学的な原因ははっきりしていません。そのため、直接的な治療方法はなく、歯を守るための対症療法となります。

歯ぎしりの強い力から歯を守るには?

歯ぎしりの方にお勧めなのは、睡眠中にナイトガードと呼ばれるマウスピースを付けて頂くことです。ナイトガードは保険が適用されます。

マウスピースの効果は?

睡眠中にマウスピースを使用すると、上下の歯が直接当たって強い力で擦られることを防ぎます。歯ぎしりの音もしなくなるため、一緒に寝ている家族の睡眠を妨げることがありません。

クッションの役割を果たすと同時に、歯ぎしりによって歯に加わる力を分散させられるため、歯や詰め物・被せ物が欠けたり割れたりするのを防ぎます。

また、歯ぎしりによる顎関節症の症状を改善させたり、筋肉の緊張をゆるめる効果もあります。

ナイトガードをつけて寝ると違和感あるの?

マウスピースは歯に装着した時に、締め付けられるなどの違和感を感じることがありますが、すぐに慣れてしまい、違和感なく眠ることが出来るようになります。

ナイトガードの作製について

ナイトガード

ナイトガードを作るには、歯科医院で型取りをして、患者さんの歯型に合わせたものを作製します。

ナイトガードは使っているうちに、強く当たる部分が擦り減り、穴があいたり、変形が起こる場合もあります。ナイトガードが破損してきた場合は、作り直します。

個人差がありますが、1年位で作り直す場合が多いです。

歯ぎしりの仕方の種類は?

歯ぎしりには3つのタイプがあります。

  1. グライディング
  2. タッビング
  3. クレンチング

1.グライディング

典型的な歯ぎしりとして、「ギリギリ」という音があります。上下の歯を無意識に擦り合わせることで、大きな音が生じます。歯や顎には大きな負担がかかり、歯が欠けたり、詰め物や被せ物が外れたり、顎関節症を起こすこともあります。

大きな音を出すため、家族から指摘されたり、自分の歯ぎしりの音で目覚めることもあります。

2.タッビング

上下の歯を噛み合わせて「カチカチ」という音を出します。タッピングが起こるのは寝ている間だけでなく、起きている間にも起こります。

グライディングよりは音が小さく、歯や顎への力がかかりにくく、負担も少ないです。

3.クレンチング

歯を食いしばる感じの歯ぎしりをクレンチングといいます。クレンチングは音がしないため、家族や周囲の人に気づかれることはありません。眠っている間に無意識で行われますので、力がかかり続けて歯や顎へ大きな負担がかかります。

睡眠時の歯ぎしりから歯を守る方法に関するQ&A

歯ぎしりによる歯の損傷を防ぐ方法はありますか?

ナイトガードと呼ばれるマウスピースを使用することで、歯ぎしりによる歯の損傷を防ぐことができます。

ナイトガードの効果はどのようなものですか?

ナイトガードは、歯ぎしりによる歯同士の摩擦を防ぎ、歯や詰め物・被せ物の損傷を防止します。また、顎関節症の症状の改善や筋肉の緊張緩和にも効果があります。

ナイトガードの装着は違和感がありますか?

初めのうちは違和感を感じることがありますが、すぐに慣れてしまい、違和感なく眠ることができるようになります。

まとめ

歯のキャラクター

日中に起こる噛みしめや食いしばりは、出来るだけ自分で意識して上下の歯を離しておくようにします。夜間は気をつけることが出来ませんので、マウスガードで歯を守ります。

歯ぎしりの直接的な治療方法はありませんので、ストレスをためないように工夫したり、早寝早起き、アルコールやタバコの摂取量などの生活習慣を見直して、健康で規則正しい生活を心がけましょう。

この記事の監修者
医療法人真摯会 高槻クローバー歯科・矯正歯科
院長 髙野 祐

2013年 岡山大学 歯学部卒業。2014年 岡山大学病院臨床研修終了

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高槻クローバー歯科・矯正歯科

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