矯正歯科

矯正治療を始める前に知っておきたいこと

矯正治療を始める前に知っておきたいこと

「矯正を始めたいけど…不安がいっぱい」そんな方へ

矯正治療は、ただ歯並びを整えるだけではなく、かみ合わせを改善することによって健康や生活の質そのものを底上げする治療でもあります。

だからこそ、始める前にしっかりと準備しておくことで、治療の満足度もぐんと上がります。特に最近は、大人の矯正を選ぶ方も増えていますが、「いまさら…」「もう遅いかな…」と感じている方も意外と多いんです。

でも、実際には年齢に関係なく矯正治療は可能ですし、大人ならではのメリット(自己管理がしやすい・審美への意識が高い)もたくさんあります◎

そもそも、不正咬合は治さなきゃダメなの?放置のリスクを知っておこう

治さなきゃダメ?

「歯並びがちょっと気になるけど、生活に支障はないし…」
そんなふうに思って、矯正治療を先延ばしにしてしまう方も少なくありません。

でも実は、不正咬合を放置していると、見た目だけでなく体全体に影響が出ることがあるんです。ここでは、治療をせずに放置した場合に起こりやすいリスクをご紹介します。

放置による代表的なリスク

虫歯や歯周病のリスクが高まる

歯が重なっていたり隙間が多すぎたりすると、歯磨きがうまくできず歯垢がたまりやすくなります。その結果、虫歯や歯肉炎・歯周病のリスクが大幅にアップしてしまいます。

顎関節症や肩こり・頭痛につながることも

かみ合わせのバランスが悪いと、顎の関節に過剰な負担がかかり、顎関節症や肩こり・頭痛の原因になることがあります。

食べ物がよく噛めず、消化不良につながる

前歯で噛み切れない・奥歯がうまく当たらないなどの不正咬合は、食事の満足度や消化の質にも影響します。

発音に影響が出るケースも

出っ歯や開咬(奥歯だけが当たって前歯に隙間がある状態)などは、発音が不明瞭になる原因にもなります。特に接客業や声を使う職業では気になることも。

見た目のコンプレックスが長引く

「歯を見せて笑えない」「写真を撮るのが苦手」というお悩みは、放置すると自己肯定感の低下につながることもあります。

つまり、歯並びの問題は「見た目」だけじゃないということです。

不正咬合は、見た目の問題だけにとどまらず、健康やメンタル面、生活の質(QOL)にも深く関係しています。

特に大人になると、歯ぐきや骨の状態にも変化が出てくるため、早めの対策が将来のトラブル予防につながります。

治療のタイミングに迷ったら…

「絶対に今すぐ治さないとダメ!」というわけではありませんが、気になっているなら早めに相談しておくことをおすすめします。なぜなら、放置すればするほど治療が複雑になり、期間や費用も増えてしまう可能性があるからです。

・不正咬合は放っておくと虫歯・歯周病・顎関節症などにつながるリスクあり

・見た目だけでなく、発音や消化、メンタルにも影響を与える可能性がある

・早めの対策が、将来の健康と自信につながるカギとなる

事前知識がないと、後悔することも…!?

矯正治療は長期にわたることが多く、途中で「こんなはずじゃなかった…」と感じる方も少なくありません。

たとえば、こんな後悔がよくあるんです。

治療期間が思ったより長かった

費用が追加でかかってしまった

装置が目立って気になった

ケアが大変で虫歯になった

どれも、「始める前に知っていれば防げた、または調整できたこと」ばかりです。
だからこそ、事前に情報収集して、様々な知識を仕入れておくってすごく大事なんです!

治療前に知っておくべき6つのポイント

ここでは、矯正治療前に必ず押さえておきたいポイントを6つにまとめてご紹介します。

1. 治療の目的とゴールを明確にする

  • 見た目の改善だけでなく、かみ合わせや発音の改善も目的になる
  • 「どこまで治したいか」を先生と共有することが大切

2. 自分に合った治療方法を知る

  • 表側矯正、裏側矯正、マウスピース矯正など、それぞれに特徴があります
  • ライフスタイルや予算に合った方法を選ぶのがコツ

例えば、目立ちにくさを重視するならマウスピース矯正(インビザラインなど)が選ばれることもありますが、症例によってはワイヤー矯正の方が適しているケースもあります。
つまり「見た目だけ」で選ぶと、治療効果に差が出る可能性もあるんです。

大切なのは、「見た目」「効果」「自分のライフスタイル」をトータルで考えて選ぶこと。治療方針は歯科医師とじっくり相談して決めるのがベストです。

3. 治療期間の目安を知っておく

  • 多くのケースでは1年半?3年が目安
  • 部分矯正なら短期間で済むこともあります

4. 費用と支払い方法を事前に確認

  • 全体矯正では総額80?120万円前後が一般的
  • 分割払い、デンタルローン、医療費控除の活用なども検討しましょう

5. 治療中のセルフケアが超重要

  • 歯磨きしにくくなるので、歯垢がたまりやすい
  • フロスや矯正用歯ブラシを使って丁寧なケアを
  • 定期的な健診やプロによるクリーニングも大切です

矯正装置の周りはどうしても歯垢がたまりやすくなります。
そのままにしておくと虫歯や歯肉炎を招き、治療が中断されたり、矯正後の仕上がりに影響したりするリスクがあります。

以下のようなケアグッズがとても役立ちます

  1. 矯正用の山型歯ブラシ → 装置の周りを効率的に磨けます
  2. 歯間ブラシやデンタルフロス → ワイヤーの隙間にたまった歯垢を除去
  3. フッ素入りのうがい薬 → 虫歯予防に効果的

また、月1回のプロによるクリーニングと健診も欠かさず受けましょう。自宅での歯磨きだけでは落としきれない歯垢や歯石を除去してもらえます。

6. 治療後の「保定」期間も忘れずに

  • 治療後は保定装置(リテーナー)で後戻りを防ぎます
  • この期間も半年?数年と長めなので心の準備を

→上記のポイントを知っておくことで、治療中の「こんなはずじゃ…」をしっかり防げます!

治療前にやっておくと安心な準備とは?

矯正を始める前に「やっておいた方がいいこと(虫歯治療・歯のクリーニング・親知らずの抜歯など)」をご紹介します。「いきなり矯正!」じゃなく、準備段階があることを知ってもらうと安心感がUPします。

虫歯や歯周病の治療は先に済ませるのがベスト

歯石除去や歯垢のクリーニングも矯正開始前に済ませよう

親知らずが影響する場合は抜歯の検討が必要

抜歯が必要な場合の説明(非抜歯との違いも軽く触れてOK)

装置ごとの違いと生活の注意点|矯正中の「日常ってどうなるの?」を解決!

矯正治療に興味はあるけど、「どの装置が良いの?」「日常生活に支障はある?」というお悩み…あるあるです。実際、矯正装置によって見た目・使い心地・ケアの難しさ・食事への影響がぜんぜん違います。

ここでは代表的な3つの装置について、その特徴と生活で気をつけたいポイントを比較してご紹介します。

1. 表側ワイヤー矯正

ホワイトワイヤー矯正

もっとも一般的な矯正方法で、歯の表側にブラケットとワイヤーを取り付けるタイプです。

特徴:

  • 適応範囲が広く、複雑な不正咬合にも対応できる
  • 比較的費用を抑えられる
  • 装置が目立ちやすいのがデメリット

生活での注意点:

  1. 硬いもの・粘着性のあるもの(キャラメル・ガムなど)は避ける
  2. 食べ物が装置に詰まりやすくなるため、こまめな歯磨きが必須
  3. 金属アレルギーのある方は、素材に注意(セラミックブラケットなどを選ぶことも可)

→ こまめな歯磨き&フロスが超大事!
学校や職場での歯磨きセットは必需品に◎

2. 裏側矯正(リンガル矯正)

裏側矯正インコグニト

歯の裏側に装置をつける方法で、見た目を気にする方に人気があります。

特徴:

  • 装置が外から見えないため審美性が高い
  • 高度な技術が必要なため、費用が高めになる傾向
  • 慣れるまでにやや時間がかかる

生活での注意点:

  1. 装置が舌に当たるため、最初は話しにくく感じることがある
  2. 食事のときに違和感を感じることも
  3. 歯磨きが難しいため、専用の歯ブラシやフロスを使ってケアを丁寧に

→ 音読や口を使うトレーニングで、発音の違和感はだんだん慣れてくるよ!

3. マウスピース矯正(インビザラインなど)

インビザライン

取り外し可能な透明のマウスピース型装置を使用する方法です。
近年、見た目や快適さから注目されています。

特徴:

  • 装着していてもほとんど目立たない
  • 自分で取り外しできるので食事や歯磨きがラク
  • 適応症例に限りがある(重度の不正咬合には不向きな場合も)

生活での注意点:

  1. 1日22時間以上の装着が必要(インビザラインの場合)
  2. 飲食時には必ず外す必要がある(特に温かい飲み物はNG)
  3. 装置の清潔を保つために、毎日の洗浄が必須

→ 自分でしっかりルールを守れるタイプにぴったり◎
スケジュール管理が得意な方には最高の選択肢!

それぞれの比較まとめ

装置タイプ 見た目 費用感 ケアの難易度 適応範囲 特徴
表側ワイヤー ◎(比較的安い) △(要工夫) オールマイティ、実績豊富
裏側矯正 △(高め) ×(かなり難しい) 見た目を気にする方におすすめ
マウスピース △〜〇(症例による) 〇(外して磨ける) 目立たず快適、自己管理がカギ

装置を選ぶときのチェックポイント

どの装置がベストかは、以下のような視点で考えると◎です。

見た目の目立ちにくさを重視したい?

費用の予算はどれくらい?

どれくらい早く終わらせたい?

装置の違和感に耐えられる?

矯正専門の歯科医師とじっくり相談しながら、自分の希望やライフスタイルに合わせた選択をしましょう。

矯正装置にはそれぞれ特性があり、生活スタイルや希望に合わせた選び方が大切です。見た目・費用・違和感の有無・ケアのしやすさなどを比較して検討しましょう。装置の特徴の違いを事前に知っておくことで、治療後の「こんなはずじゃなかった!」を防げます◎

知っていれば安心、準備も万全に!

情報を知っておくだけで、治療前の心構えがまるで変わってきます。
矯正治療は「装置をつけること」がゴールではなく、その先が長いからです。
【治療開始→ケアの継続→治療完了→保定】という長い道のりを歩むために、心の準備と知識が欠かせません。

「やってみてよかった」と心から思えるように、スタート前にしっかり確認しておきましょうね。

まずは相談から始めてみましょう

迷っているなら、まずは矯正専門の歯科医院で無料カウンセリングを受けてみるのもオススメ。疑問をプロにぶつけて、納得してから始められると安心感が違います。

カウンセリングではこんなことが聞けます。

自分に合う治療法は?

費用の詳細と分割可能か?

治療の流れやスケジュール感

一人で悩むより、専門家に相談する方がずっと早く不安が解消できますよ。

「始めてよかった」と思える未来のために

矯正治療は、自信や自己肯定感にも大きな影響を与えるものです。
特に、「人前で自然に笑えるようになった」「マスクを外すのが怖くなくなった」など、見た目の変化以上の“心の変化”を感じる患者さんもたくさんいます。

また、整った歯並びはむし歯や歯周病の予防、発音の明瞭化、咀嚼力の向上といった、健康面にも長く影響します。

“ただの見た目のための治療”ではなく、“人生を前向きに変える治療”として、矯正治療をとらえてみてくださいね。

まとめ

焦らず、あなたのペースで準備を

矯正治療はスタートがすべて。しっかり情報収集を。
「どんな治療?」「費用は?」「どれくらいかかる?」そんな疑問は遠慮なく相談を。
あなたにとってベストな治療を選ぶことが大切!

焦らず、無理せず、あなたらしいペースで矯正治療の一歩を踏み出してくださいね。

この記事の監修者
医療法人真摯会 高槻クローバー歯科
院長 髙野 祐

2013年 岡山大学 歯学部卒業。2014年 岡山大学病院臨床研修終了

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高槻クローバー歯科

大阪矯正歯科グループ大阪インプラント総合クリニック