歯と口のトラブル

抜歯後にドライソケットを防ぐには?知っておきたい予防と対策

抜歯後にドライソケットを防ぐには?

高槻クローバー歯科・矯正歯科 歯科医師 髙野 祐

抜歯後に起こるドライソケットって何?

ドライソケットとは、抜歯したあとに血のかさぶた(血餅)がうまくできなかったり、取れてしまったりして、骨がむき出しになる状態のことです。
この状態になると傷口の治りが遅くなるだけでなく、強い痛みが何日も続くことがあります。

とくに親知らずなど奥歯の抜歯後に起こりやすく、注意が必要なトラブルです。

放置するとどうなる?ドライソケットのつらい症状

辛い症状

ドライソケットは、ふつうの抜歯後の痛みとはレベルが違う痛みを引き起こします。以下のような症状が特徴です。

抜歯後2~3日経ってから強い痛みが出てくる
→ 通常の痛み止めが効きにくく、ズキズキと長引く痛みです。

口臭が強くなることがある
→ 骨がむき出しになって細菌が入りやすくなるためです。

口の中が苦く感じたり、不快な味がする

このような状態を放置すると、細菌感染や治癒の長期化にもつながってしまいます。

ドライソケットを防ぐためにできることは?

ドライソケットを防ぐために出来ること

抜歯後の数日間は、ドライソケットを防ぐための行動がとても重要です。以下のような点に気をつけましょう。

抜歯後のセルフケアで気をつけたいポイント

うがいは控えめに
→ 強いうがいをすると、せっかくできた血餅が流れてしまうことがあります。初日はとくに注意!

ストローや喫煙はNG
→ 口腔内の陰圧が血餅を剥がす原因になるので、しばらく控えましょう。

抜歯した部分を触らない
→ 舌でさわったり、指で確認したりすると、血餅が崩れやすくなります。

食事は反対側でやさしく噛む
→ 刺激の少ないやわらかい食事を選び、抜歯した側は使わないように心がけましょう。

処方された薬は指示どおりに使用
→ 抗生剤や痛み止めは、感染予防と症状のコントロールに重要です。

これらのポイントを守ることで、血餅を安定させてドライソケットを防ぐ可能性が高まります。特に「強いうがいと吸う動作は禁物」と覚えておきましょう!

実際の体験談:予防を意識してよかったケース

30代女性の患者さんで、以前に親知らずを抜歯した際にドライソケットを経験した方がいました。その際はうがいを頻繁にしてしまったことが原因だったそうです。

次に反対側の親知らずを抜いたときは、

  1. 医師の説明をしっかり守る
  2. うがいや喫煙を控える
  3. 指示された通り薬を服用する

といった対策を徹底した結果、痛みも少なく、治癒もスムーズだったとのことでした。このように、ちょっとした意識と習慣が結果を左右することもあるんです!

歯科医院でできる対策やサポートとは?

患者さんご自身でのケアだけでなく、歯科医院でもドライソケットを予防するためのサポートがあります。

抜歯後のガーゼ圧迫指導
→ 血餅を安定させるため、ガーゼをしっかり噛んでもらう時間などの指導を行います。

必要に応じた抗菌薬の処方
→ 感染リスクを下げるために、抗菌薬を出すことがあります。

抜歯部位の保護用パック
→ ドライソケットのリスクが高い患者さんには、特殊な保護材を使って抜歯窩をカバーすることもあります。

術後の経過観察とアドバイス
→ 不安があれば遠慮なく受診を。早期対応でトラブルを防げます。

これらの処置は、歯科医院だからこそできる「予防の力」です。

まとめ

今日からできるセルフケア習慣

ドライソケットは、「予防」がすべてと言ってもいいほど、ちょっとした注意で避けられるトラブルです。特に抜歯当日~2日目までの過ごし方がカギになります。

今日から意識したいポイント

  1. 無理なうがいや吸う動作を避ける
  2. 食事はやさしく、刺激の少ないものを選ぶ
  3. 医師の指示に従い、薬はきちんと飲む
  4. 不安なことは早めに相談する

「知ってるだけで防げる」ことも多いので、ぜひ今回の記事を参考に、ドライソケットのリスクを減らしていきましょうね!

この記事の監修者
医療法人真摯会 高槻クローバー歯科
院長 髙野 祐

2013年 岡山大学 歯学部卒業。2014年 岡山大学病院臨床研修終了

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高槻クローバー歯科

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