子どもの口臭の原因は?

高槻クローバー歯科・矯正歯科 歯科医師 髙野 祐

子どもの口臭の原因は?

子どもの口臭は、歯垢などの磨き残し、口の乾燥、口呼吸、むし歯や歯肉炎、鼻づまりなど、さまざまな原因で起こります。また、朝起きた直後など、一時的に口臭が強くなるだけで、必ずしも病気とは限らないケースもあります。

大切なのは、においだけで原因を決めつけることではありません。

「朝だけなのか」「一日中続いているのか」「口がいつも開いていないか」「鼻づまりはないか」「歯ぐきに腫れはないか」など、口臭以外の様子も一緒に確認すると原因を探りやすくなります。

この記事を読むとわかること

  1. 子どもの口臭で考えられる主な原因
  2. 朝だけ口が臭う場合に考えられること
  3. 歯磨きをしても口臭が残る理由
  4. お口ぽかん・口呼吸と口臭との関係
  5. 家庭でできる子どもの口臭対策
  6. 歯科医院を受診したほうがよいサイン
  7. 歯科・耳鼻咽喉科・小児科のどこに相談するか

「ちゃんと磨いているつもりなのに臭う」という場合も珍しくありません。口臭を単純に歯磨き不足だけの問題にせず、お口全体や呼吸の状態まで広い視点で確認していきましょう。

 

目次

子どもの口臭はどうして起こるの?

子どもの口臭はどうして起こるの?

子どもの口臭には、歯垢などの磨き残し、舌の汚れ、むし歯や歯肉炎、口呼吸による乾燥、鼻づまりなど複数の原因があります。一つだけが原因とは限らず、例えば「鼻づまり→口呼吸→口の乾燥」というように、いくつかの要因が重なっていることもあります。

子どもの口臭は「歯磨き不足」だけでなく、口の乾燥や鼻・呼吸の問題まで確認することが大切です。

口臭は、口の中にいる細菌が食べかすやはがれた粘膜などに含まれる成分を分解するときに生じるにおいなどによって起こります。

子どもの場合にまず確認したいのは、お口の中が清潔に保たれているかどうかです。しかし、それだけではありません。

主な原因として次のようなものが考えられます。

  1. 歯垢や食べかすの磨き残し
    → 奥歯の溝、歯と歯の間、生えかわり途中の歯などには歯ブラシが届きにくく、汚れが残りやすくなります。
  2. 舌についた汚れ
    → 舌の表面に付着する白っぽい汚れは「舌苔(ぜったい)」と呼ばれ、口臭に関係する場合があります。
  3. むし歯や歯肉炎
    → むし歯や歯ぐきの炎症があると、お口の中の細菌が増えたり、食べ物がたまりやすくなったりして口臭につながることがあります。
  4. 口呼吸による乾燥
    → いつも口が開いていると唾液が蒸発しやすく、お口の中が乾きます。唾液が少ない状態では細菌が増えやすくなるため、においが強くなることがあります。
  5. 鼻づまりや鼻の病気
    → アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎などで鼻呼吸がしづらくなると、口呼吸になりやすくなります。

日本歯科医師会でも、歯・歯ぐき・舌の汚れが口臭に関係することや、小さな子どもでは副鼻腔炎など鼻の問題に伴って口呼吸になる場合があることが紹介されています。

ここで重要なのは、「口が臭う=歯磨きができていない」と決めつけないことです。毎日きちんと歯磨きをしているお子さんでも、口呼吸や鼻づまりなどが重なると口臭が出ることがあります。

口臭の原因を考えるときは、口の中だけでなく、「呼吸」「鼻」「歯並び」「生活リズム」まで少し視野を広げることがポイントです。

子どもの口臭の原因を整理すると、家庭でも確認しやすくなります。
まずは「どんな症状が一緒にあるか」を観察してみましょう。

考えられる原因 口臭につながる理由 家庭で確認したいポイント
歯垢・食べかす 細菌が増え、においの原因になる 奥歯や歯と歯の間に汚れが残っていないか
舌苔 舌に細菌や汚れがたまる 舌が白っぽくなっていないか
むし歯・歯肉炎 細菌や炎症が口臭に関係する 歯の穴、歯ぐきの赤みや出血がないか
口呼吸 お口が乾燥しやすくなる 普段から口が開いていないか
鼻づまり 鼻呼吸が難しく、口呼吸になりやすい 鼻水、鼻づまり、いびきがないか
生理的な口臭 睡眠中などに唾液が少なくなる 朝だけ臭い、飲食後には改善するか

この表のどれか一つに必ず当てはまるとは限りません。例えば鼻づまりと口呼吸、口の乾燥が同時に起こっているように、複数の原因が重なっている場合もあります。

歯磨きをしているのに子どもの口が臭うのはなぜ?

毎日歯磨きをしていても、奥歯や歯と歯の間、生えかわり途中の歯などには歯垢が残ることがあります。また、口臭の原因が口呼吸や鼻づまりにある場合、歯磨きだけでは十分に改善しません。「磨いている」と「汚れが落ちている」は必ずしも同じではない点がポイントです。

歯磨きをしていても、磨き残しや口の乾燥があれば口臭は起こります。

小学生くらいになると、「もう自分で磨けるだろう」と仕上げ磨きを卒業するご家庭も増えてきます。

ところが、生えかわり時期の口の中は意外と複雑です。

永久歯が途中までしか生えていなかったり、乳歯と永久歯で歯の高さが違っていたりするため、普通に歯ブラシを動かしているだけでは磨き残しが出やすくなります。

特に注意したいのは、

  1. 奥歯のかみ合わせの溝
  2. 生えかけの永久歯
  3. 歯と歯の間
  4. 少し重なって生えている歯
  5. 歯と歯ぐきの境目

などです。

日本小児歯科学会も、歯と歯の間に食べ物が挟まったままになると、むし歯や歯肉炎だけでなく口臭の原因になるため、デンタルフロスを使用することを勧めています。

そのため、「毎日2回磨いているから大丈夫」と回数だけで判断するのではなく、どこに磨き残しがあるかを確認することが重要です。

定期健診ではむし歯の確認だけでなく、お子さん自身が苦手としている場所や、保護者の方が仕上げ磨きで見落としやすい部分も確認できます。

朝だけ子どもの口が臭いのは大丈夫?

起床直後にだけ口臭が強く、歯磨きや朝食、水分補給の後には気にならなくなる場合は、睡眠中に唾液が少なくなることで起こる一時的な口臭の可能性があります。ただし、朝だけだと思っていた口臭が日中まで続いている場合や、鼻づまり・口呼吸などを伴う場合は別の原因も確認したほうがよいでしょう。

朝だけの口臭は珍しくありませんが、一日中続く場合は原因の確認が必要です。

唾液には、お口の中の食べかすなどを洗い流したり、細菌が増えすぎるのを抑えたりする働きがあります。

しかし、眠っている間は起きている時間より唾液の分泌が少なくなります。

そのため朝起きた直後は、
「昨日の夜は気にならなかったのに、朝になると口が臭う」
ということが起こります。

唾液が少なくなると口臭が強くなる傾向があることは、日本歯科医師会「お口のなんでも相談『口臭』」でも紹介されています。

朝の口臭を見るときには、においそのものの強さより「いつ消えるか」を観察してみましょう。歯磨きや水分補給、朝食後にはほとんど気にならなくなるのであ本歯科医師会は、子どもの口呼吸について、鼻アレルギー、アデノイドや口蓋れば、一時的な口臭である可能性があります。

反対に、

  1. 朝だけでなく昼も臭う
  2. 毎日かなり強いにおいがする
  3. 歯磨きをしても変わらない
  4. 鼻づまりが続いている
  5. 寝ているとき口が開いている
  6. いびきがある

といった場合は、歯や歯ぐきだけではなく口呼吸や鼻の状態も確認してみましょう。「朝に臭うかどうか」だけで判断するのではなく、その後どのように変化するかを見ることが大切です。家庭での観察の目安を整理すると、次のようになります。

口臭の現れ方 考え方 対応の目安
起床直後だけ臭う 睡眠中の唾液減少による一時的な口臭の可能性 歯磨きや水分補給後の変化を確認
朝食後には気にならない 生理的な変化の可能性がある 普段のお口のケアを継続
一日中臭う お口の中などに原因がある可能性 歯科医院への相談を検討
歯磨きをしても臭う むし歯・歯肉炎・口呼吸なども考える 原因を確認する
鼻づまりやいびきもある 鼻や呼吸の問題が関係している可能性 歯科または耳鼻咽喉科へ相談

「何のにおいに似ているか」を細かく分類するよりも、いつ臭うのか、何をすると改善するのか、ほかにどんな症状があるのかを記録しておくほうが、原因を探る際には役立ちます。この「時間帯を見る」という視点は、ご家庭でも実践しやすいチェック方法です。

「お口ぽかん」や口呼吸は子どもの口臭と関係する?

口呼吸が続くと、お口の中が乾きやすくなり、唾液による自浄作用が十分に働きにくくなります。そのため口臭につながる場合があります。また、子どもの口呼吸の背景には鼻づまりなどが隠れていることがあり、歯並びやお口の機能とも無関係ではありません。

いつも口が開いているお子さんでは、口臭だけでなく「なぜ口呼吸になっているのか」まで見ることが大切です。

テレビを見ているときやゲームをしているとき、お子さんの口がぽかんと開いていないでしょうか。寝ているときに口が開いていたり、朝起きたとき唇がカサカサしていたりする場合もあります。

口が開いた状態が長く続くと、お口の中の水分が失われやすくなります。
唾液によって洗い流されていた汚れや細菌が残りやすくなり、その結果、口臭が強くなることがあります。

日本歯科医師会は、子どもの口呼吸について、鼻アレルギー、アデノイドや口蓋扁桃の肥大など鼻づまりにつながる要因のほか、前歯が前方に出て唇を閉じにくいことなどが関係する場合もあると説明しています。口呼吸では口唇の乾燥や歯肉の炎症、歯並びへの影響などがみられることもあります。

日本小児歯科学会でも、子どもの口腔機能の問題や口腔習癖について、適切な口腔機能の発達を促すことの大切さを説明しています。

そのため、「口臭があるから口臭ケアをする」だけで終わらせず、「どうして口が開いているのだろう?」と考えてみることが重要です。
口臭は、ときにお子さんのお口の機能や呼吸の状態に気づくきっかけにもなります。

子どもの口臭を家庭で改善するにはどうすればいい?

子どもの口臭への対策

家庭でできる基本的な対策は、丁寧な歯磨き、必要に応じた仕上げ磨きやデンタルフロス、水分補給、よく噛んで食べることなどです。ただし、口呼吸や鼻づまり、むし歯などが原因の場合、口臭対策だけでは根本的な改善につながらないことがあります。

口臭を隠すことより、「お口を清潔に保つこと」と「原因を取り除くこと」を優先しましょう。

家庭でできる対策として、まず次の点を見直してみてください。

1.磨き残しやすい場所を意識して歯磨きする

  • ただ長時間磨くのではなく、奥歯、生えかけの永久歯、歯と歯ぐきの境目などを意識しましょう。
  • 小さいお子さんでは、本人だけに任せず仕上げ磨きで確認することも大切です。

2.歯と歯の間はデンタルフロスも使う

  • 歯ブラシだけでは歯と歯の間の汚れを十分に取り除きにくい場合があります。
  • 食べ物がよく挟まる部分がある場合は、デンタルフロスを使って清潔にしましょう。

3.こまめに水分をとる

  • 水分不足で口が乾いていると、口臭が強くなることがあります。
  • 特に暑い時期や運動後などは、水分補給を意識しましょう。

4.食事ではよく噛む

  • 噛むことは唾液の分泌を促すことにつながります。
  • 急いで飲み込むのではなく、食事中にしっかり噛む習慣をつけることは、お口の機能という点からも大切です。

5.舌を強くこすりすぎない

  • 舌が白いと、きれいにしようとして強くゴシゴシ磨きたくなるかもしれません。
  • しかし、舌はとてもデリケートです。特に子どもの舌を強くこすることは避け、気になる場合は歯科医院で相談しましょう。

6.鼻づまりを放置しない

  • 口呼吸の背景に鼻づまりがある場合、歯磨きだけを続けてもお口の乾燥が改善しないことがあります。
  • 鼻水や鼻づまりが長く続いている場合には、耳鼻咽喉科への相談も考えましょう。

ここで気をつけたいのは、口臭を消すためだけに香りの強い洗口剤などに頼りすぎないことです。一時的ににおいが気にならなくなっても、むし歯や歯肉炎、口呼吸などの原因そのものが解決するわけではありません。

子どもの口臭対策では「においを隠す」よりも、「どうして臭っているのかを見つける」ことを優先しましょう。

子どもの口臭で歯医者を受診したほうがいいのはどんなとき?

朝だけの一時的な口臭で、その後すぐ改善する場合には経過をみられることもあります。一方、口臭が一日中続く、歯磨きしても改善しない、歯ぐきの腫れ・出血、むし歯、強い磨き残しなどがある場合には歯科医院で原因を確認することをおすすめします。

「長く続く」「ほかの症状がある」という場合は、一度原因を確認しておくと安心です。

次のような状態がある場合は、歯科医院への相談を考えてみてください。

  1. 口臭が一日中続いている
    → 朝だけではなく、学校から帰ってきた後などにも強い口臭が続く場合は、お口の中に原因がないか確認しましょう。
  2. 歯磨きをしてもほとんど改善しない
    → 毎日丁寧に磨いているのに口臭が続く場合、磨き残し以外の原因が隠れていることがあります。
  3. むし歯がある、または歯が痛む
    → 食べ物がたまりやすい大きなむし歯などでは、口臭につながる場合があります。
  4. 歯ぐきが赤い、腫れている、血が出る
    → 子どもでも歯垢がたまると歯肉炎が起こります。
  5. 口がいつも開いている
    → 鼻呼吸ができているか、唇を自然に閉じられているかなども確認したいポイントです。
  6. 急に強い口臭が出るようになった
    → 急な変化があった場合は、口臭だけではなく体調や鼻・喉などの症状も確認しましょう。

口臭だけで重大な病気を心配しすぎる必要はありません。
ただ、「何週間も続いている」「以前とは明らかに違う」という場合には、家庭だけで原因を推測し続けるより、一度お口の状態を確認してもらうほうが原因を整理しやすくなります。

受診するか迷ったときは、「口臭以外の症状」が一つの判断材料になります。
次のようなサインがないか、お子さんのお口や日常の様子を確認してみましょう。

気になる状態 考えられること 受診の考え方
歯磨き後も口臭が続く 磨き残し、むし歯、歯肉炎など 歯科で確認
歯ぐきから血が出る 歯肉炎など 歯科で確認
歯が痛い・穴がある むし歯など 早めに歯科へ
口がいつも開いている 口呼吸やお口の機能の問題など 歯科で相談
鼻づまり・いびきが続く 鼻の病気など 耳鼻咽喉科への相談も検討
発熱など全身症状がある 歯科以外の病気の可能性もある 症状に応じて小児科などへ

特に「口臭+別の症状」という組み合わせは、受診先を考えるヒントになります。口臭だけを単独で見るのではなく、お子さん全体の様子を見ることが大切です。

子どもの口臭は歯科・耳鼻咽喉科・小児科の何科に相談すればいい?

歯垢、むし歯、歯肉炎などお口の中が気になる場合は歯科へ、鼻づまり・鼻水・いびきなどが続く場合は耳鼻咽喉科が相談先になります。発熱や体調不良など全身症状を伴う場合は、小児科への相談が適していることもあります。どこへ相談すればよいかわからない場合は、まず歯科で口腔内を確認する方法もあります。

口臭と一緒に出ている症状によって、相談先を考えましょう。

「口臭くらいで病院へ行っていいのかな?」と迷う保護者の方もいらっしゃると思います。
口臭は歯科だけでなく、鼻や喉の状態などが関係する場合があるため、症状によって相談先が変わります。

迷った場合は、口臭以外にどのような症状があるかを整理してみるとわかりやすくなります。受診先の大まかな目安は次の通りです。

主な症状 相談先の目安
歯垢が多い・むし歯がある 歯科
歯ぐきが赤い・出血する 歯科
歯並び・お口ぽかんが気になる 歯科・矯正歯科
鼻づまり・鼻水が続く 耳鼻咽喉科
いびき・鼻呼吸のしづらさがある 耳鼻咽喉科への相談を検討
発熱や強い体調不良を伴う 小児科など症状に応じた医療機関

どこへ行けばよいかわからない場合は、まず歯科医院でむし歯や歯肉炎、磨き残しなど、お口の中に原因がないか確認する方法があります。

お口の中に問題が見つからず、鼻づまりなどが疑われる場合には、耳鼻咽喉科など適切な診療科への相談を検討するとよいでしょう。

子どもの口臭を歯科医院で相談すると何を確認するの?

歯科医院では、むし歯の有無だけではなく、歯垢の残り方、歯ぐきの状態、生えかわり途中の歯、口呼吸の様子、歯並びなどを確認します。原因によっては歯磨き方法を見直すだけで改善を目指せる場合もあります。

口臭の診察では、「におい」だけではなく、お口全体の状態を確認します。

歯科医院を受診したからといって、すぐに特別な治療を行うわけではありません。

まずは、

  1. むし歯がないか
  2. 歯垢がたまりやすい場所はないか
  3. 歯肉炎が起きていないか
  4. 歯と歯の間に食べ物が詰まっていないか
  5. 生えかわり中の歯をきちんと磨けているか
  6. 普段から口が開いていないか
  7. 歯並びによって磨きにくい部分がないか

などを確認します。

原因が磨き残しであれば、お子さん本人と保護者の方に合った歯磨き方法を確認します。

口呼吸が気になる場合は、鼻づまりの有無や歯並び、お口の機能なども含めて考えていきます。

日本小児歯科学会でも、口呼吸などの口腔習癖は、子どもの歯並びやかみ合わせ、口腔機能の発達を考えるうえで重要な要素として説明されています。

「口臭を消す治療」ではなく、「口臭が起こっている理由を探す」ことが歯科での確認の中心と考えるとわかりやすいでしょう。

子どもの口臭を放置するとどんなデメリットがある?

口臭そのものがすぐにお口の健康を悪化させるわけではありません。ただし、背景に磨き残し、歯肉炎、むし歯、口呼吸などがある場合、それらを放置することはおすすめできません。また、成長したお子さんでは友達から口臭を指摘されることが精神的な負担になる場合もあります。

問題なのは「口臭」そのものより、口臭の背景にある原因を見逃してしまうことです。

「痛がっていないから、少しくらい口が臭っても大丈夫」と思うかもしれません。確かに、朝だけの一時的な口臭など、すぐに治療を必要としないものもあります。

しかし、背景に歯垢や歯肉炎がある場合、その状態を放置すると炎症が続きます。

口呼吸についても同様です。

日本歯科医師会では、口呼吸が続くと口腔内が乾燥しやすく、歯ぐきの炎症などにつながる場合があることを紹介しています。

一方で、保護者の方が口臭を気にするあまり、
「また口が臭いよ」
「ちゃんと磨いたの?」
と何度も指摘するのも考えものです。

ある程度成長したお子さんの場合、口臭はとてもデリケートな問題です。本人を責めるのではなく、「磨きにくいところがないか歯医者さんで見てもらおうか」という形で原因を一緒に探してあげることをおすすめします。

子どもの口臭の相談には費用や通院回数がどのくらいかかる?

必要な費用や通院回数は、口臭の原因によって異なります。歯磨き指導だけで済む場合もあれば、むし歯や歯肉炎があれば治療が必要になります。子どもの医療費助成制度は自治体によって異なるため、実際の負担額については医院や自治体へ確認してください。

口臭だけで通院回数が決まるのではなく、「何が原因か」によって変わります。

例えば磨き残しが中心で、お口の中に大きな問題がなければ、定期健診の際に歯磨き方法を確認しながら経過を見ることもあります。

一方、

  1. むし歯が見つかった
  2. 歯肉炎がある
  3. 歯石などの除去が必要
  4. 口呼吸について継続的な確認が必要
  5. 歯並びについて詳しい診査が必要

といった場合には、その状態に応じて通院が必要です。

「口臭があるから何回通院する」と一律に決まるものではありません。
まず原因を確認し、その原因に必要な対応を行うという考え方になります。

子どもの口臭についてのQ&A

Q1. 子どもの口が朝だけ臭うのは病気ですか?

睡眠中は唾液の分泌が少なくなるため、起床直後には口臭が強くなることがあります。歯磨きや朝食、水分補給の後に気にならなくなる場合は、一時的な口臭のこともあります。日中まで続く場合は、お口の中などに原因がないか確認してみましょう。

Q2. 毎日歯磨きをしているのに口臭があるのはなぜですか?

歯と歯の間や生えかけの永久歯などに歯垢が残っている場合があります。また、口呼吸や鼻づまりなど、歯磨きでは解決できない原因もあります。歯科医院で磨き残しをチェックしてもらうのも一つの方法です。

Q2. 子どもの舌が白いのは口臭の原因ですか?

舌の表面についた舌苔が口臭に関係することはあります。ただし、舌を強くこすると傷つける可能性があります。気になる場合は無理に磨き続けるのではなく、歯科医院で相談しましょう。

Q4. 子どもの口臭は胃が悪いことが原因ですか?

口臭があるからといって、すぐに胃腸の病気と結びつける必要はありません。まずは歯垢、むし歯、歯肉炎、口の乾燥、口呼吸、鼻づまりなど、口や鼻周辺の状態を確認することが大切です。

Q5. 口臭があるときは歯医者に行ったほうがいいですか?

朝だけではなく一日中口臭が続く、歯磨きをしても改善しない、むし歯や歯ぐきの腫れ・出血などがある場合は、一度歯科医院で確認することをおすすめします。鼻づまりなどが強い場合には耳鼻咽喉科への相談が必要になることもあります。

まとめ|子どもの口臭は「におい」だけでなく原因を確認しましょう

子どもの口臭には、歯垢などの磨き残し、舌の汚れ、むし歯、歯肉炎、口呼吸、鼻づまりなどさまざまな原因があります。朝だけの一時的な口臭であれば過度に心配する必要のないケースもありますが、一日中続く場合やほかの症状を伴う場合には原因を確認しておくことが大切です。

子どもの口臭では「臭うかどうか」だけでなく、「いつ臭うか」「何をすると改善するか」を観察しましょう。

子どもの口臭が気になると、「何か病気なのでは?」と心配になる保護者の方も多いと思います。

しかし、口臭の原因は一つではありません。

まずは、

  1. 朝だけなのか、一日中なのか
  2. 歯磨きをすると改善するのか
  3. 歯ぐきが腫れていないか
  4. むし歯がないか
  5. 口がいつも開いていないか
  6. 鼻づまりやいびきがないか

を観察してみてください。

特に覚えておいていただきたいのは、口臭の「種類」を家庭で診断しようとするより、「いつ・どんなときに臭うか」を見るほうが役立つということです。

そして、子どもの口臭は本人の歯磨き不足だけが原因とは限りません。
生えかわり途中で磨くのが難しかったり、鼻が詰まって自然に口呼吸になっていたりすることもあります。本人を叱って歯磨きを増やすだけでは解決しないケースもあるのです。

一日中口臭が続く場合や、お口ぽかん、歯ぐきの腫れ、むし歯などが気になる場合には、歯科医院で一度お口全体を確認してみましょう。

口臭をきっかけに、お子さんの歯磨きだけでなく、呼吸や歯並び、お口の機能まで見直すことが、これからのお口の健康を守ることにもつながります。