矯正歯科

矯正中の喫煙はNG?煙草が与える意外な悪影響とは

矯正中の喫煙はNG?

「矯正治療を始めたいけれど、煙草を吸っているからうまくいかないかもしれない…」
そんな不安をお持ちの患者さんも少なくありません。実際、喫煙と矯正治療には深い関係があり、煙草の習慣が治療に影響を及ぼす可能性があるのです。

歯並びを整える矯正治療は、見た目だけでなく、噛み合わせや口腔内の健康維持にも大きく関わります。ですが、煙草に含まれる有害物質は、歯ぐきや骨の健康、装置の安定性などに悪影響を与えることが知られています。

この記事では、「煙草 矯正治療 影響」というキーワードをもとに、喫煙が矯正治療にどのようなリスクをもたらすのか、そして治療の成功率を高めるために患者さんができることについて、わかりやすくご紹介します。矯正治療を検討中、または現在治療中の喫煙者の方は、ぜひ参考にしてください。

喫煙は矯正治療に悪影響を及ぼします

喫煙は矯正治療に悪影響

矯正治療中に煙草を吸うことは、歯の動きを妨げたり、歯ぐきや骨の健康を損なったりする原因になります。治療期間が延びたり、治療結果が思わしくないケースもあるため、禁煙は矯正治療の成功の鍵です。

喫煙は矯正治療の妨げになります。治療効果を最大限にするには禁煙が大切です。

煙草がもたらす口腔環境へのダメージ

煙草には多くの有害物質が含まれており、歯ぐきの血流を悪化させ、治癒力を低下させます。また歯垢がたまりやすくなり、歯周病や虫歯のリスクも高まります。

喫煙は口腔環境を悪化させ、治療を難しくします。

具体的な影響は以下のとおりです:

  1. 歯ぐきの血行不良
    → 煙草に含まれるニコチンが血管を収縮させ、歯ぐきの血流が悪くなります。
  2. 免疫力の低下
    → 喫煙は細菌への抵抗力を弱め、感染しやすくなります。
  3. 歯垢の増加と歯周病の進行
    → 喫煙者は歯垢がたまりやすく、歯周病が進行しやすい傾向があります。
  4. 口腔内の乾燥
    → 唾液の分泌が減り、細菌の繁殖が進みやすくなります。

これらの要素はすべて、矯正治療において「歯の動きを妨げる」「装置のトラブルを引き起こす」「治療後の後戻りのリスクを高める」などの悪影響につながります。

実際に起こりうるトラブル例

矯正中の喫煙は、歯ぐきの腫れ、歯周病の悪化、装置の脱離など様々なトラブルを招くことがあります。口臭や歯の変色も気になる点です。

喫煙により、歯ぐきや装置にトラブルが起こりやすくなります。

トラブル例:

矯正装置の接着がうまくいかない
→ 口腔内の乾燥により、ブラケットなどが外れやすくなることがあります。

歯ぐきの腫れ・出血
→ 炎症が起きやすく、矯正装置と干渉することで悪化する場合があります。

治療中の歯周病の進行
→ 歯ぐきが後退し、歯の支持が弱くなると、歯の移動が困難になります。

歯の変色やヤニの付着
→ 審美面の問題として、見た目が悪くなることがあります。

治療期間の延長
→ 炎症やトラブルによって歯の移動が計画通りに進まず、治療が長引くケースも。

これらはすべて、治療の質や見た目、治療期間に大きな影響を及ぼす要素です。

矯正中に喫煙を続けた場合のリスク

矯正中に喫煙を続けると、歯が思うように動かないだけでなく、装置の破損や口腔疾患のリスクも高まります。特にインプラントや外科的矯正を併用する場合は治癒が遅れ、大きな問題につながることもあります。

喫煙習慣は矯正治療全体のリスクを上げます。

特に注意が必要なケース:

外科矯正を受ける場合
→術後の治癒が悪くなるため、感染リスクが高まります。

成人矯正
→もともと歯周病リスクが高いため、喫煙が大きな障害になります。

インプラントと併用している場合
→インプラントと骨の結合がうまくいかないリスクが上昇します。

矯正治療中は、単に歯を動かすだけでなく、歯ぐきや骨の健康も保つ必要があります。喫煙はその妨げとなり得るため、十分な注意が必要です。

治療の成功率を高めるためにできること

矯正治療を成功させたいなら、禁煙は非常に有効な手段です。治療開始前や治療中に禁煙に取り組むことで、トラブルを回避し、より良い結果が得られます。

禁煙により、矯正治療の成功率が高まります。

おすすめの対策:

  1. 禁煙外来の活用
    →歯科医院や内科で相談できる医療的な禁煙サポートがあります。
  2. 歯科医院でのカウンセリング
    →矯正治療に関するリスクと対策を専門的に指導してもらえます。
  3. 定期的な健診とクリーニング
    →歯垢の除去や歯ぐきの状態確認により、喫煙による悪影響を最小限に抑えられます。
  4. 生活習慣の見直し
    →ストレス解消法や食習慣の改善により、喫煙の依存を減らせます。

矯正治療は長期にわたる取り組みです。少しずつでも生活習慣を改善することで、より良い治療成果へとつながります。

タバコと矯正治療に関連するQ&A

矯正治療中にタバコを吸っても大丈夫ですか?

完全に禁止されているわけではありませんが、矯正治療の効果や進行に悪影響を及ぼす可能性が高いため、できる限り禁煙をおすすめします。歯ぐきの血流が悪くなり、歯の動きが遅くなったり、治療期間が長引いたりするリスクがあります。

タバコを吸うと矯正装置にどんな影響がありますか?

タバコのヤニが矯正装置に付着しやすく、見た目が悪くなるだけでなく、装置の接着力が弱くなって外れやすくなることがあります。また、口腔内が乾燥しやすくなるため、装置の管理も難しくなります。

喫煙で歯ぐきや骨にどのような影響がありますか?

喫煙は歯ぐきの血行を悪くし、炎症や感染が起こりやすくなります。また、歯を支える骨の代謝にも影響を与えるため、歯の移動がスムーズに進まず、治療の成功率が下がる可能性があります。

電子タバコ(VAPE)なら矯正治療に影響しませんか?

一見安全に見える電子タバコも、ニコチンやその他の化学物質を含んでいる場合があり、口腔内環境に影響を及ぼす可能性があります。完全に無害とは言えないため、やはり禁煙が望ましいです。

タバコをやめたら、矯正治療にどんな良い影響がありますか?

血行や免疫力が改善され、歯ぐきや骨の回復力が高まるため、歯の動きがスムーズになり、治療期間の短縮やトラブルの予防にもつながります。また、口臭や着色の改善も期待できます。

まとめ

矯正治療を成功させたいなら、禁煙が最善

矯正治療中の喫煙は、歯の移動、歯ぐきや骨の健康、装置の維持、さらには治療結果にまで悪影響を及ぼします。治療の成功を願うなら、禁煙は最善の選択です。歯科医師と相談しながら、できるだけ早い段階で禁煙を検討しましょう。

矯正治療の成功には禁煙が欠かせません。

この記事の監修者
医療法人真摯会 高槻クローバー歯科
院長 髙野 祐

2013年 岡山大学 歯学部卒業。2014年 岡山大学病院臨床研修終了

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高槻クローバー歯科

大阪矯正歯科グループ大阪インプラント総合クリニック