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最新機器エアフローによるクリーニングとは?歯面をやさしくキレイにする新時代のケア

最新機器エアフローによるクリーニングとは?

高槻クローバー歯科・矯正歯科 歯科医師 髙野 祐

最新機器の「エアフロー」によるクリーニングって、どんな治療?

細かいパウダーを水と空気で歯面に吹き付け、歯垢や着色をやさしく除去する最新の口腔ケア方法です。従来のクリーニングよりも歯や歯ぐきへの負担が少なく、快適に施術を受けられます。

この記事はこんな方に向いています

  • コーヒーや紅茶の着色が気になる方
  • タバコによるヤニ汚れを効率よく落としたい方
  • 矯正装置やインプラントが入っていて清掃が難しい方
  • 歯ぐきや歯面への刺激が苦手な方
  • できるだけ短時間で快適にクリーニングを受けたい方

この記事を読むとわかること

  1. エアフロークリーニングの仕組みと特徴
  2. 従来のクリーニングとの違い
  3. 得られる効果と適応範囲
  4. 実際の施術の流れ
  5. 注意点や受ける前に知っておくべきこと

 

エアフロークリーニングは歯面に優しい最新のクリーニング方法です

エアフローは、きめ細かいパウダーを水と空気で歯面に吹き付けることで、歯垢や着色を除去する最新のクリーニング方法です。従来のように機械でゴリゴリとこすらず、汚れを「吹き飛ばす」イメージで除去します。

そのため、歯や歯ぐきへの刺激が少なく、痛みを感じにくいのが特徴です。特に知覚過敏のある方や、従来のクリーニングが苦手な方にも適しています。

パウダーと水流でやさしく汚れを落とす新しいクリーニング法です。

エアフローが選ばれる理由

従来の超音波スケーラーやラバーカップによるクリーニングは、物理的に歯面をこすって汚れを落とします。この方法は効果的ですが、わずかに歯質を削る可能性や、歯ぐきへの圧迫感がありました。

一方、エアフローは細かいパウダーを吹き付けて汚れを浮かせて取り除くため、歯質を削らずに隅々まで汚れを落とすことが出来ます。また、短時間で施術できるため、時間的な負担も軽減できます。

歯を削らず、短時間で快適に汚れを除去できます。

エアフローが好まれる理由

  1. 低侵襲 → 歯質や歯ぐきを傷つけにくい
  2. 短時間 → 施術時間が20〜30分程度と短い
  3. 快適性 → 振動や痛みが少ない
  4. 幅広い適応 → 天然歯からインプラントまで対応可能

これらの理由から、エアフローは「痛みが少ない」「歯にやさしい」という点で高く評価されています。特に歯科医院への通院が苦手な方や、長時間の施術を避けたい方にとっては、大きなメリットとなります。

エアフロークリーニングの具体的な効果

エアフローは、単なる着色除去にとどまりません。歯垢やバイオフィルムと呼ばれる細菌の膜を効率的に取り除くため、歯周病や虫歯予防にも効果的です。

また、インプラント周囲のケアや、矯正装置の周辺、被せ物や詰め物の境目など、細かい部分までアプローチできます。

着色除去から歯周病予防まで幅広く効果があります。

主な効果

  1. 歯垢除去 → 虫歯や歯周病の原因となる細菌の膜を取り除く
  2. 着色除去 → コーヒー・紅茶・ワイン・タバコによるステインを除去
  3. 口臭予防 → 汚れや細菌を減らし口臭の原因を軽減
  4. インプラントのメンテナンス → 金属や人工歯にもやさしい
  5. 矯正中の清掃 → ワイヤーやブラケット周囲もスムーズに清掃

このように、エアフローは「見た目の改善」と「健康維持」の両方を叶えることができます。定期的に行うことで、口腔内環境の改善が期待できます。

エアフローと従来のクリーニングの違い

従来のクリーニングは、超音波スケーラーで歯石を除去し、ラバーカップと研磨ペーストで歯面を磨く方法が主流でした。

これに対し、エアフローは歯面を直接こすらず、パウダーを吹き付けて汚れを落とします。その結果、歯質や歯ぐきへの負担が軽減され、術後のしみや痛みが少ないのが特徴です。

削るのではなく吹き飛ばすことで、負担が少ないです。

違いの比較

  1. 従来法 → 物理的にこすり落とすため歯質をわずかに削る可能性あり
  2. エアフロー → パウダーで吹き飛ばす → 歯質を削らない
  3. 従来法 → 仕上がりにざらつきが残る場合あり
  4. エアフロー → 滑らかな仕上がり

この違いは、快適さだけでなく歯の長期的な健康にも関係します。特に長年にわたってクリーニングを続ける場合、低侵襲な方法を選ぶことは重要です。

エアフロークリーニングの流れ

エアフローの施術は、まず口腔内の診査から始まります。その後、必要に応じて歯石を除去し、エアフローで歯垢や着色を取り除きます。施術は約20〜30分で完了し、最後にフッ素塗布やホームケアのアドバイスが行われます。

短時間で効率的に口腔内を清掃します。

施術の流れ

  1. 問診・口腔内チェック
  2. 歯石除去(必要な場合)
  3. エアフローによる歯垢・着色除去
  4. 仕上げ・フッ素塗布
  5. ホームケア指導

この流れにより、見た目の美しさだけでなく口腔内の健康維持にもつながります。

エアフローの注意点と適応外ケース

エアフローは多くのケースに適していますが、万能ではありません。重度の歯石はスケーラーでの除去が必要です。また、粉末や水圧に敏感な方は事前に相談してください。歯ぐきの炎症が強い場合や外科処置直後は、施術を避けることがあります。

一部では使用できないケースもあるため、事前相談が必要です。

注意点

  1. 重度の歯石は除去できない
  2. 粉末や水圧が苦手な場合は配慮が必要
  3. 歯ぐきの炎症が強いときは避ける
  4. 外科処置直後は控える

安全に施術を受けるためには、歯科医院での診査と説明が不可欠です。

パウダーの種類と選び方——歯や歯ぐきに合う粒子を使い分ける

エアフローで使うパウダーには複数の種類があり、粒子の大きさや溶けやすさ、味の感じ方が異なります。

用途に応じて使い分けることで、歯面の着色除去から歯周ポケット内のバイオフィルム除去、インプラント周囲の清掃まで、より安全かつ効率的なクリーニングが可能になります。

パウダーは一種類ではなく、目的に合わせて選ぶのがコツです。

主なパウダーの特徴

  1. エリスリトール系 → 粒子が非常に細かく、歯周ポケット内やインプラント周囲などデリケートな部位にも使いやすい。甘味をほんのり感じやすく、不快感が少ない。
  2. グリシン系 → 歯肉縁下のバイオフィルム除去に適しやすいタイプ。刺激感が少なく、歯ぐきが敏感な患者さんにも選択されやすい。
  3. 炭酸水素ナトリウム(重曹)系 → 表面の強い着色にアプローチしやすく、エナメル表層のステインに向く。味はややしょっぱく感じることがある。
  4. カルシウム系 → 着色が頑固な部位に用いられることがある一方、知覚過敏が強い方には慎重な設定が必要。用途を選んで使われる。

どのパウダーが最適かは、お口の状態(着色の強さ、歯ぐきの状態、インプラントや矯正装置の有無)で変わります。歯科衛生士が部位ごとにパウダーや噴霧圧、ノズルを調整することで、歯面へのダメージを抑えつつ、効率的に歯垢とステインを除去できます。

施術後48時間のセルフケア——効果を長持ちさせるコツ

エアフロー後は歯面が滑らかになり、再着色しにくい状態ですが、初日の過ごし方で持続性が変わります。色の濃い飲食や強すぎる歯磨きを避け、やさしい清掃とフッ化物の活用でコンディションをキープしましょう。

初日のケアを丁寧にすると、キレイが長続きします。

アフターケアのポイント

  1. 飲食の注意(当日〜2時間) → コーヒー・赤ワイン・濃いお茶・カレーなど色の濃い飲食は控える。再着色を起こしにくくするための配慮。
  2. 歯磨き → やわらかめの歯ブラシで優しく。出血があっても力任せにこすらないことが大切。
  3. フロス・歯間ブラシ → 当日~翌日にかけて再開。ワイヤーや装置、被せ物や詰め物の境目は無理をせず丁寧に。
  4. 知覚過敏への対応 → 冷水や氷菓は控えめに。フッ化物配合や知覚過敏用の歯みがき剤を活用。
  5. 装置の取り扱い → リテーナーやマウスピースは洗浄後に装着。インプラント周囲は専用ブラシやスーパーフロスでやさしく清掃。
  6. うがい薬 → 色付きの洗口剤は再着色の原因になることがあるため、当日は透明タイプを選ぶと安心。

施術直後は「強く落とす」より「やさしく保つ」が合言葉。再着色と刺激を避ける選択を心掛けることで、エアフローで得た滑らかな歯面が維持され、次回のメンテナンスも短時間で済みやすくなります。

まとめ

エアフローは快適で効果的なクリーニングの新しい選択肢

エアフローは、歯面を傷つけず短時間で歯垢や着色を除去できる最新のクリーニング法です。見た目の改善と健康維持を同時に叶えるため、定期的なメンテナンスとして取り入れる価値があります。

着色が気になる方、虫歯になりやすい方、歯周病の方、矯正中の方、インプラントをしている方など、全ての方におすすめです。

やさしく短時間で歯をきれいにできる最新の方法です。

この記事の監修者
医療法人真摯会 高槻クローバー歯科
院長 髙野 祐

2013年 岡山大学 歯学部卒業。2014年 岡山大学病院臨床研修終了

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高槻クローバー歯科

大阪矯正歯科グループ大阪インプラント総合クリニック