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噛んだら痛い?子供の歯の違和感や痛み―原因と対処法を解説


「噛んだら痛い」と子供に言われてしまうと、親としては、心配になりますよね。痛い歯はどこ?と子供に聞き、歯が黒ずんでいるように見えなくても、実は虫歯なのかもと早めに歯医者さんへ連絡される方も多いです。今日は、なぜ噛んだら痛いのか、その原因や受診の目安について詳しくご紹介いたします。

なぜ噛んだら痛いのか?

子どもの歯の特徴として、エナメル質や象牙質の層が薄いため、大人の歯と比べて構造的に弱く、外からの衝撃や刺激を受けやすいです。乳歯や、生えたばかりの永久歯は、何年も経った大人の永久歯と比べるとそのような違いがあります。 そのため、ちょっとしたことで噛んだときに痛く感じ、違和感があるといった症状が起こりやすいです。子ども自身も具体的な原因を言葉で説明できないことが多いため、保護者としては果たして何が原因か?と判断に迷うことも少なくありません。

まずは、子どもの歯の特徴としてエナメル質の薄さなどの構造を把握したうえで、噛んだら痛いというサインを生みやすいということを理解しておくことが大切です。

考えられる原因①:むし歯

子どもが噛むと痛いと訴えるとき、まず疑うべきなのがむし歯です。虫歯の症状として、歯の表面を覆うエナメル質がむし歯菌により溶け、穴が開いて象牙質や神経に近づくと、噛んだときや食べ物が触れたときに痛みを感じやすくなります。特に子どもの歯はエナメル質や象牙質が薄く弱いため、一度むし歯ができると大人の永久歯より進行が早く、気づかないうちに痛みが出やすいです。

こんなときは虫歯かも?

虫歯を疑うべき症状を挙げていきましょう。

  • 冷たい、熱い飲み物でしみる
  • 噛んだときに痛がる
  • 黒ずみや穴が見える
  • 歯の形が変わっている

むし歯が進行して神経(歯髄)の近くまで達すると、ズキズキとした強い痛みや、歯茎の腫れを伴うこともあります。

考えられる原因②:歯の生え変わり

子どもが噛むと痛い、違和感があるというとき、むし歯ではなく、乳歯から永久歯への移行という歯の生え変わりによる痛みが原因となっている場合もあります。乳歯の歯根が溶けて短くなり、歯がグラグラした状態になると、噛んだときに歯茎が引っ張られて痛みを感じることがあります。また、下から永久歯が生えてくる途中であれば、新しい歯が手前の歯や歯茎を圧迫し、噛んだときに痛みが出ることもあります。このような場合、ほとんどは時間とともに自然に解決することが多いため、急いで抜歯するのではなく、様子を見ることが基本です。

ただし、歯が揺れてグラグラがひどい、痛みが強い、食事ができないなど日常生活に影響がある場合は、かかりつけの小児歯科へ相談し、なるべく早く受診することが望ましいでしょう。

考えられる原因③:歯肉炎や歯茎の炎症

噛んだら痛いという原因が、歯そのものではなくて歯茎の炎症だったというケースもよくあります。例えば、薄いピンクの通常の歯茎の色ではなく、赤くぷくっと腫れている歯肉炎はその代表とも言えます。歯と歯茎の境目にプラーク(歯垢)が溜まり、不十分な歯磨きが続くと、歯茎が赤く腫れ痛みが出ることがあります。歯ブラシが歯茎に当たるだけで痛がったり、食べ物が触れたときに痛みを感じるといったことも多く、子どもが噛みづらい、うまく食べられないと訴える原因となります。

対処のポイント

歯ブラシでゴシゴシ強く磨くのはおすすめしません。やわらかめのブラシで、歯と歯肉の間に毛先が入るよう優しく丁寧に磨きましょう。歯肉炎の多くは、数日~1週間ほどで改善されることが多いですが、腫れや痛みが続く場合は歯科受診を検討した方が望ましいです。

考えられる原因④:口内炎、外傷、知覚過敏など

子どもが歯が痛い、噛むと痛いと言っても、それが必ずしも歯や歯茎のトラブルとは限りません。他にも原因があることが考えられます。

原因 説明
口内炎 口内炎が歯や歯茎の近くにできると、食べ物が当たった際に刺激となり、まるで歯が痛いように感じることがある
歯の外傷 転倒やぶつけるなどの外傷が原因で、見た目に問題がなくても歯根や内部組織がダメージを受け、後から痛みが出ることがある
知覚過敏 エナメル質が薄かったり削れていたりすると、冷たい・熱い食べ物や噛む刺激で痛みが生じることがある

噛んだら痛いという症状の裏には、むし歯以外のさまざまな要因がかくれている場合があるため、見極めがとても重要です。

痛みを和らげるための応急処置と家庭でできるケア

歯科を受診する前や、もしくはすぐ受診できないときに、ご家庭でできるケアや応急処置としては次のような方法があります。

①やわらかめの歯ブラシで優しく歯みがき

歯肉炎や口内炎が原因の場合、刺激を抑えて丁寧に歯みがきすることで、数日で炎症が改善されることがあります。

②冷たいタオルなどで頬をそっと冷やす

痛みや炎症があるとき、頬の外側から冷たいタオルで冷やすことで、一時的に痛みを和らげられることがあります。ただし、お口の中で氷を舐めるというのは刺激が強すぎるため逆効果です。また、冷やしすぎも逆効果になることがあり、ある程度治まったらやめるなど注意が必要です。

③硬いもの、冷たい、熱いものを避ける

痛みがあるときに硬い食べ物や、冷たすぎたり熱すぎる飲食物を食べると刺激になります。歯周組織への刺激が多ければ、痛みが悪化したり治りにくくなることがあります。

④食べるときに痛くない側で噛むように促す

痛みのある歯を避けて、もう片側で噛むようにするだけでも、食事がしやすくなったり、痛みを避けやすくなります。

あくまで一時的な対処方法ですので、根本的な原因を解決するには歯科での診断や治療が必要となります。

受診の目安

受診についてですが、こんなことがあればできるだけ早く歯科医院へという目安を挙げていきましょう。

  • 噛むときの痛みが強く、食事や会話に支障がある
  • むし歯のような黒ずみや穴がある
  • 歯の形がおかしい
  • 歯茎が赤く腫れている
  • 歯茎から出血がある
  • 歯に触れるだけで痛がる
  • 口内炎が1~2週間以上治らず広がっている
  • 転倒などの外傷後に痛みが続き、見た目は正常でも違和感や痛みがある

子どもの場合、痛みを正確に表現できないこともあるため、行動にも注意しましょう。機嫌が悪く噛みたがらない、よく頬を触るなどの行動も、受診のサインと捉えられます。

歯科医院でどんな対処法やってくれる?

虫歯になっていれば、虫歯菌に感染したエナメル質の部分を削り取り、その上に詰め物、被せ物を行います。歯肉炎などであれば、セルフケアが最も重要ではありますが、歯石やプラークが付着しているため、それらをしっかり除去します。歯茎の中の永久歯が乳歯を押して痛む生え変わりの場合は、噛み合わせる歯の咬合を確認し、わずかに削ると咬合調整を行います。いずれもレントゲン検査したうえで治療を行います。

まとめ

噛んだら痛いという子どもの訴えは、原因がむし歯だけとは限らず、歯の生え変わり、歯茎の炎症、口内炎、外傷、知覚過敏などさまざまです。

家庭での丁寧な歯みがきや、やわらかめの歯ブラシ、食事の工夫などで症状が改善することもありますが、痛みが続いたり、増す場合は、早めに歯科で診てもらうのが一番です。日常的に噛む歯が痛むと、食事を嫌がり、必要な栄養素が摂取できなくなります。お子さんの健やかな成長と食事を楽しみ、しっかり噛む経験のために、普段からお口の様子をチェックしておきましょう。気になるときは迷わず受診するのが大切です。

この記事の監修者
医療法人真摯会 高槻クローバー歯科
院長 髙野 祐

2013年 岡山大学 歯学部卒業。2014年 岡山大学病院臨床研修終了

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高槻クローバー歯科

大阪矯正歯科グループ大阪インプラント総合クリニック