虫歯治療

長い間プラークが歯に付いていると、歯の表面のエナメル質が酸で溶けます。このことを脱灰といいます。

しかし、人の唾液には、酸を中和して歯を守ろうとする働きがあります。さらにこの唾液によって、脱灰した歯を回復させることができます。

ただし、日常的に糖分を頻繁にとっている人の場合、酸の中和や修復が追い付かず、エナメル質がみるみる溶かされて、虫歯になってしまうのです。

一度崩壊したエナメル質は、中和や修復など自然治癒では元通りに回復しません。虫歯でできた穴は、歯科医院で治療するしかありません。

虫歯でできた穴は治療しないと、さらに進行して、歯の神経にまで虫歯菌が到達してしまいます。

ここまで進むと、歯の神経を抜く治療が必要になり、もし歯の根元にまで虫歯が達してしまったら、多くの場合、歯そのものを抜かなければならなくなるでしょう。

虫歯と食事の関係

食事の回数やとり方によって、虫歯になりやすい状況になってしまうことをご存じでしょうか。

上の図は歯垢のpHの変化を表していて「ステファンカーブ」というグラフです。食事のたびにお口の中のpHは変化しています。

pH5.5危険ラインで、それより低い数値になると歯のエナメル質が溶け始める「脱灰」が始まります。脱灰が繰り返されると虫歯になってしまいます。

規則正しい食事を取っていると唾液がお口の中をpH7前後の中性に戻して再石灰化を促します。

しかし、中性に戻るのには20分〜1時間はかかるため、ちょこちょこと飲食していると酸性に傾いたままで、虫歯になりやすい口腔内の状態が続いてしまいます。

ダラダラと食事をすることは避けたり、頻繁に甘いジュースなどを飲むことは控えて、規則正しい食生活で歯を修復させる再石灰化を促進させて歯を守りましょう。

Q. 虫歯を放置するとどうなりますか？

A. 虫歯はCO→C1→C2→C3→C4と段階的に進行します。初期は自覚症状が乏しいですが、C2でしみる・痛むことが増え、C3では強い痛み、C4では歯の大部分が失われ、抜歯の可能性もあります。早期発見・早期治療が重要です。

Q. CO（初期虫歯）は削らずに治せますか？

A. 丁寧な歯みがきや歯科医院でのフッ素塗布などで白濁（初期脱灰）が改善することがあります。痛みのない段階なので、削らずに経過観察と予防ケアを重視し、定期的なチェックをおすすめします。

Q. 痛みの少ない治療は可能ですか？

A. 当院では表面麻酔で注射時の刺激を軽減し、電動麻酔器で一定速度・圧を保ちながら麻酔液を注入します。さらに笑気麻酔を併用することで、リラックスした状態で治療を受けていただけます。安全性が高く、副作用はほとんどありません。

Q. 食事習慣は虫歯に影響しますか？

A. はい。歯垢のpH変化（ステファンカーブ）では、pH5.5を下回るとエナメル質が溶ける脱灰が起こります。だらだら飲食を続けると酸性の時間が長くなり虫歯リスクが上昇します。規則正しい食事で再石灰化を促しましょう。

Q. 再発を防ぐために大切なことは？

A. 当院では虫歯の原因を分析し、再治療を防ぐための予防中心のケアを行っています。歯みがき指導・フッ素応用・生活習慣の見直しなど、再発リスクを下げるサポートをいたします。